走り続けた16年(44)

苦闘する庁舎問題⑮

平成26年第3回(9月)市議会定例会開会の1日に合わせて、リース庁舎の解消と財政効果のための、第二庁舎取得の補正予算を提案できればよかったのですが、日程的に無理があり、後日送付(議会開会後に議案を送付する)となったことも取得に反対する議員の大きな理由になりました。しかし、取得を次の第4回(12月)に先送りすれば、その分、取得が遅れることになり2か月分の家賃、3千6百万円の負担が生じることと、低利での借入が不可能となり、合わせて約1億円の財政効果を失うことになるため、あえて提案しました。

もし、私が混乱を恐れるあまり提案を先延ばしすれば、市の利益を逸することになり、その不作為が問われることになります。

経過については、3月定例会の施政方針で私は「庁舎問題はあらゆる方策を検討する」と述べ、職員にも考えるよう伝えました。

それを受けて担当職員は、平成23年度に庁舎建設の起債(借金)の条件が大幅に緩和されたことから、中古の建物を庁舎として取得することの可能性について東京都と協議し、問題がないことを確認しました。そして5月、取り下げもあることを条件に起債の申請をしていました。これは、職員の自発的発想からの行動で、私は評価しています。

その後、前年末で切れている第二庁舎の賃貸借契約更新の交渉の中で、所有者と三菱UFJ信託銀行の間での信託契約は、相互に利がなく信託契約解除の動きがあることを知らされました。

7月末、8月18日で信託契約を解除するとの報告を受け、市は地位継承の手続きや、取得の方向とした場合、適正な価格を確認するための不動産鑑定に入りました。

そして、正式に信託契約が解除されたことから、市は所有者と直接交渉ができることになり、所有者は条件が合えば売却も考えるという改めての確認で、職員は与えられた職務を果たすべく、各々が建物や躯体について、敷地の境界の確定、法的問題、財政問題等、取得の方向の中で課題の整備に入りました。

そして、9月1日に第二庁舎等の土地・建物を約18億6千万円とする不動産鑑定書が納品され、3日の小金井市不動産価格審査会の審査の結果を受け、庁議で取得を決定し、所有者に金額を提示し検討を依頼しました。

9月9日、第二庁舎の土地と建物の売買金額を18億6千万円とすることで所有者と合意し、法的な効力は無いが、売買金額等についてお互いの意思を確認するための協定書を締結し、取得に向けて市議会へ提案するための、財政取得の議案の作成に入りました。

低利での起債の申請期限の9月12日を、都の配慮で定例会の前半の最終本会議の24日までに延長し、さらに26日、30日と延長してもらい、議決を目指し市議会全員協議会の厳しい質疑に対応しましたが、残念ながら当初の目算が外れ、議会多数の理解を得ることができませんでした。

(つづく)