走り続けた16年(48)

東京都議会議員選挙①

東京都議会議員選挙は7月2日投開票され、依然人気の高い小池百合子知事が代表を務める地域政党「都民ファーストの会」から、50人が立候補し49人が当選、都議会第一党となりました。

公明党など小池知事を支持する勢力が79議席となり、過半数の64議席を大きく超え、安定した都政運営となりそうです。

しかし、豊洲市場への移転と築地の再開発などは選挙向け政策の感があり、二重投資にならないかなど注視が必要です。また、国際公約である東京オリンピック・パラリンピックの準備は加速させなければなりません。

一方、前回の都議選で59人全員の当選を果たした自民党からは60人が立候補したものの、当選は過去最低の23人と歴史的惨敗を喫しました。

これは、テロ等準備罪法の採決や国会運営のあり方、加計学園などの国政の問題や、稲田防衛相の失言など、国会議員の不祥事がテレビのニュースやワイドショーなどで選挙期間中も面白可笑しく放映されたことなど、この都議選に大きな影響を与えました。これを一地方議会の選挙結果だと、やり過ごすことは許されません。

自民党の今回の敗北は数によるおごりや慢心があったことであり、政治姿勢など真摯(しんし)に反省する機会にすべきです。強い権限を持つ時は、より謙虚でなければなりません。さもなければ、次の国政選挙でも同様の結果となり政権が揺らぐことになります。

さて、私は平成11年の市長就任以降の都議会議員選挙には、ほとんど関わりを避けてきました。それは、市議会で安定した与党体制が取れていないことから、市政の混乱を避けるためでした。

4年前の平成25年第2回(6月)定例会に、小学校5校の給食を民間委託する補正予算約8千万円を計上するため、各会派に説明に回った企画財政部長が肩を落として「予算は民主党(当時)の反対で否決されます」と報告があり「大丈夫、あとは俺の仕事だ」と伝え、早速、西岡真一郎都議(現市長)に電話で、予算に賛成して欲しいと言うと「市議会は市議の判断にまかせているので」との回答でした。

定例会終了後は都議選であり現職の西岡都議と自民党の木村基成氏との争いの様相でした。日を置いて電話で「私の木村氏への応援は箱(建物)の中で決起大会と個人演説会の2回だけにするので」との申し出にも好反応はありませんでした。

三度目の電話で私は「これは取引です、補正予算に賛成すれば木村氏への応援は一切しない」と伝えました。

その後、民主党市議から「西岡さんから『市政を混乱させないように』と言われている」とのこと。そして補正予算は民主党の賛成で可決され、学校給食の民間委託化が進みました。

私が木村氏を応援しないことから強い非難がありました。幸い447票の僅差でも勝利したので無罪放免でしたが、それが逆であれば私はA級戦犯でした。

今回の都議選は、市長を退いたこともあり広瀬まき候補の選対本部長として関わらせてもらいました。

(つづく)