走り続けた16年(104)

これでいいのか小金井市政②

平成5年9月議会で議決された社会福祉委員への報酬は、改正条例案は提案する市長側も議決する市議会も、月額9千4百円を一万円に改正との認識の下で議決されました。しかし、条例本体には1万1千円と誤記されており、その誤記が正規のものとなるのです。

その後、毎年度の市議会の予算、決算、さらに監査委員の各種監査でも発見できず、24年間にわたり1万円の誤支給が続きました。

それが、平成29年5月16日、外部からの問い合わせで職員がこの過ちに気付きました。しかし、当局はこれを公にせず9か月間も隠し続けてきました。それは、原因の究明、再発の防止策に取組むため、としていますが、その説明には無理があります。なぜなら、誤支給を公にし、並行して調査を進めても何等不都合はないし、その方が調査が進展するのは明らかだからです。この9か月間の西岡真一郎市長の執った市政運営は信じられないものでした。

平成30年第1回(3月)市議会定例会の総務企画委員会及び予算特別委員会での誤支給問題の質疑を通して、西岡市長の事務手続き等について、市議会は法や規定に反するものと判断し、地方自治法の規定に基づき市議会は社会福祉委員への報酬誤支給に係る検査と、同法の規定に基づく監査請求を全会一致で議決したのです。

監査請求に至った理由の第1は、平成29年5月に総務部法務担当が顧問弁護士に問い合わせ、条例どおりに支払う義務があるとの回答を得て、担当からもその旨指摘したが、市長は当面現行のまま支給すると指示した。これは、地方自治法「報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は条例でこれを定めなければならない」との規定に反するし、また、規定額どおりに支払わない行為は地方公務員法に規定する職員の条例遵守義務に違背し、法令違反ではないか、と言うものです。

その2は、市長は誤支給が発覚した後も、新たに着任する社会福祉委員への説明にあたり、その報酬月額が条例と異なる1万円であることを記載した説明文書を作成させ、交付させた行為は虚偽公文書作成、偽造公文書行使等(刑法第156条・第158条)の罪に該当する恐れがある、とするものです。

その3、市長は、平成30年1月18日の理事者協議で、社会福祉委員に債権放棄を依頼することを確認し、その事務手続きに入ったが、事務決裁文書が一切存在しないことが判明した。本来であれば最終的には市長が決裁しなければならないと考えられるが、それが、その行為は行われていなかった。これは文書管理規定、事務決裁規定に反する行為というものです。

以上が、市議会からの監査請求の一部になりますが、市の管理職者がこれら法的な問題を失念していたとは到底考えられず、そこには大きな力が働いたと思わざるを得ません。

記録の残る起案文書の不作成や、誤支給問題で行政の最高意思決定機関である庁議を開かないのは、記録を残さない手法をとったとしか思えないのです。

監査委員からの監査結果等については次号で報告します。

(つづく)

走り続けた16年(103)

これでいいのか小金井市政①

昨年3月、平成30年第1回市議会定例会は、民生委員・児童委員等によって構成される社会福祉委員への報酬の誤支給問題が大きな問題となりました。

この社会福祉委員報酬の誤支給には大きく三点の問題がありました。一点目は、平成5年の条例改正時、当局も議会側も改正前の月額9千400円から1万円に改正するという認識の下で議案資料や判断材料も1万円でした。しかし、誤って条例本体の改正案には1万1千円と誤記されていました。行政も議会も誰もその誤記に気付くことなく議決されました。しかし、誤記であっても議決された条例が正当と判断されることになります。それに気付かなかったことから、給与条例主義に反して1万円の支給となってしまいました。

二点目は、条例では1万1千円と規定していながら、実際には条例に反し24年間にわたって1万円しか支払われなかったことです。条例に反した支給が発覚したのは、新たに社会福祉委員になられた方から、支給の根拠を尋ねられて、そこで初めて職員が気付くことになりました。

三点目の問題は、平成29年5月16日に過ちが発覚したにも関わらず、その後、9か月も公表せず秘匿し続け、そのまま条例改正もせず行政執行を継続してきたことです。

一点目は、私も議員として議決に関わっていたこと、二点目は市長として16年間この過ちに気付かなかった責任があり、それなりの対応はさせていただきました。

問題を複雑にしたのは三点目です。事務処理上のミスであったことを認めて公にすれば、不注意による過ちで終えたと思われるものを、へたに細工をしたため問題を大きくしてしまった感があります。稚拙な行政執行と言わざるを得ません。9か月間も公にしなかった理由は、詳細な状況把握や原因究明、そして、対象者への対応について慎重に検討をしたため、とありますが、それは、後から付けたような理屈としか考えられず、事態の公表と同時並行して調査すべきであり、「過ちを改むるに憚ることなかれ」です。

その間、顧問弁護士からのアドバイスも無視し、監査委員への報告も押さえ込み、市民代表である市議会への報告もさせないという状況なのです。これが現在の西岡市政の情報公開の対応と考えるべきかもしれません。この問題が9か月も公にならなかったことに、驚きを禁じ得ません。

これらを解明し、市長による一連の事務手続きが法律、条例、規則等に照らし適正だったかを調査するため、市議会は議員案とし、社会福祉委員への報酬誤支給問題に係る監査請求と法に基づく事務検査が、反対もなく全議員の賛成で可決されました。また、社会福祉委員の報酬に関し条例遵守を怠った西岡市長に対する問責決議は与党と目される5人だけが反対しましたが賛成多数で可決されました。これが3月議会の経過の一部です。

国の公文書の改ざんや隠ぺい等々により、国民の行政に対する信頼が揺らいでいますが、私たちの最も身近な市政においても似たようなことが行われたことは残念です。

(つづく)

走り続けた16年(102)

平成の最後の年を迎えて

本年4月が最後となる平成の31年がスタートしました。5月に、天皇陛下が譲位され皇太子殿下が継承されることになります。新しい時代の幕開けです。

新年の小金井市は好天に恵まれ連日富士山を拝するなど穏やかな年始となりましたが、豪雪地帯の雪の報道には複雑な思いです。

昨年は、災害級といわれた猛暑やゲリラ型集中豪雨、相次ぐ大型台風など自然災害が多く発生し、日本各地に甚大な被害をもたらしました。これらは地球温暖化が原因ともいわれております。かつて、市議会で「地球温暖化はテロより怖い」との議員の発言が思い出されます。また、防災対策や首都直下地震などに備えての減災対策も必要です。

人類の希求が世界の恒久平和であるにもかかわらず、世界各地で紛争が続いています。紛争により被害を受けるのは常に子どもであり女性です。

世界のリーダーであるべき米国トランプ大統領には、その資質さえ疑わざるを得ない存在であるのが残念です。米国第一主義が世界に混乱を引き起こす引き金となり、それが米国に利益をもたらすとは思えません。

また、欧州各国にはポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭により、亀裂と混乱が続き、それが拡散していくのも危惧されます。

その中で、我が国の平成の30年間は、総括はこれからですが、その年号の通り平和で安定した時代だったのではないでしょうか。

10月には消費税が10%に引き上げられます。税の引上げは政権執行者にとっては辛い判断になりますが持続可能な社会の形成にはそれも必要です。政治の評価は歴史が定めることになります。

2020東京オリンピック・パラリンピック開催まで、あと1年半となりました。これとともに、本年9月にはラグビーワールドカップが調布市の味の素スタジアムを中心に全国展開されます。本市からスタジアムへのシャトルバスの運行など大会の成功に向けて万全の準備をし、本市への外国人など来外者を迎え入れる体制の整備が必要です。

これらの国際大会を契機に、街づくり等ハード・ソフト両面におけるレガシーを築く絶好のチャンスです。

私の元旦は例年どおり6時半からのくじら山原っぱでのラジオ体操に始まり、小金井新橋で初日の出を待ちましたが、地平線に厚い雲が棚引いて太陽が顔を出すにはかなりの時間がかかりましたが、大勢の市民とそれをじっと待ちました。

その後、仲間の人たちと富士山が展望できる場所に移動しました。こちらは青空に富士山がその全容をくっきりと現わしており、皆でその美しさを堪能しました。

昨年は自らの健康寿命延伸のためのウオーキング、年間6千キロメートルが目標でしたが、私のスマホの歩行距離は6千164・7キロメートルでした。本年は、ウオーキングに要した時間とエネルギーの一部を他に振り向ける、働き方改革ならぬ生活改革の実践を心掛けてまいります。

本年は7月に参院選挙があり、年末には小金井市長選挙が執行されます。西岡真一郎市長の任期も本年12月までとなります。市民に約束した新庁舎問題や行財政改革等の選挙公約がどの様な状況にあるのかが検証されることになります。

(つづく)

走り続けた16年(101)

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。

希望に満ちた新春をご家族お揃いで健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は、多くの自然災害により大きな被害が発生しました。平穏な年であるとともに、自分たちのまちは自分たちで守るという心構えも必要と考えます。

本年は、平成の元号が4月で終り、5月から新元号に変わる歴史の大転換期になります。平成の時代を振り返って、次の時代に備えてまいりたいと思っています。

小金井市においては本年も庁舎建設の課題がクローズアップされることになります。

小金井市のシンボルとなる市庁舎は、竣工後40〜50年は使われることになります。その期間に十分対応できることを見通した庁舎でなければなりません。

そのためには、社会環境の変化に即応できるフレキシブルな配置計画であることです。また、雨水や自然再生エネルギー等の最大限の活用も必要です。

さらに私は、景観に特に力を入れるべきだと思っています。それは、多摩地域に住む多くの多摩都民が、朝晩のラッシュ時は2分間隔で満員の上下線の走るJR中央線で毎日小金井市を通過します。その車窓からは新庁舎等の全景を一望できるのです。小金井市の魅力発信、シティプロモーションの絶好のチャンスです。小金井市のイメージアップに繋がる景観にしなければなりません。

まず、緑と水を標榜する小金井市です。これをどの様に表現するかです。滝を作るか、噴水か、小川か、池なのか、目に見える形で水を循環させることも考えられます。

また、歴史的にも、名勝小金井(さくら)の小金井市です。広場や駐車場、進入路などに種々のさくらを植え一年中何んらかのさくらが咲いていて、中央線の乗客や市民の目を楽しませることです。電車の窓から季節の移り変わりが楽しめる、そんな夢のある庁舎であることを望みます。

自由広場だけでなく、屋上にも天然芝を植えて屋上緑化を図る必要もあります。現在でも庁舎建設予定地は乳幼児の遊び場としてまた、保育園の散歩コースとしても活用されていますが、完成後は天然芝の屋上も開放して子どもたちの遊び場にするのです。斜め下を通る電車を見て喜ぶ姿が想像されます。子どもたちに、思い出と市に愛着を持ってもらうことがシティプロモーションの原点です。

昔、庁舎建設予定地の西側にあった、蛇の目ミシン工業(株)小金井工場ビルの4階の塔屋に直径数メートルの大時計があり、夜間でも車窓や近隣からも時間が確認でき、大勢の人々に活用されてきた経過があります。

日本の標準時は明石市で決めていると思われていますが、実は、小金井市貫井北町4丁目にある国立研究開発法人・情報通信研究機構(NICT)の原子時計が日本の標準時刻を決めているのです。

その小金井市は「日本の『とき』標準時刻が生れるまち」として、武蔵小金井駅の自由通路やNICTの壁面にあるデジタル時計を新庁舎の壁面に大型の電子時計を設置し、日本の標準時を新庁舎から発信したいものです。

(つづく)

走り続けた16年(100)

平成30年の終りにあたって

今年も残りわずかになりました。皆様にとってどの様な1年だったでしょうか。楽しいことの多い年だったことと思います。

本年も本欄をご愛読いただきありがとうございました。多くの方々から激励のご意見をいただき、それを励みに続けてきました。

特にご意見の多かったのは、5月11日号から6回にわたって掲載された、平成16年3月に遺棄された女児についてでした。次回はどう展開するかとか、今、この子はどうしているかなど、街でお会いする方々からも問われました。また、7月11日号の目黒女児虐待死事件についても大きな反応がありました。それに、8月1日号からの、私の戦争体験は、昭和19年11月に満鉄社員を父に生れ、終戦直前のソ連の参戦で避難列車での逃避行。父は現地で28歳で玉砕し、母と私は奉天(現・瀋陽)での1年の難民生活の後、葫蘆島(コロトウ)からの引揚。同様の体験や、身内等に似たような境遇を経た方々等から多くのお声をいただきました。

市政については、理解できるようになった、とのご意見も多くいただいています。新しい年も小金井市の財政再建、街づくり、ごみ問題などを振り返るとともに、「今、市政で何が」についても書かせていただきます。

本年も市政の焦点は庁舎問題でした。その経過等について振り返ってみます。

西岡真一郎市長は選挙の際、市民に約束した庁舎建設の選挙公約を、当選後次々に後退させ、1年後はゼロベースにする白紙撤回ともとれる宣言をしました。選挙公約は西岡市長には当選するための手段だけにあるのでしょうか?このことは、思想信条の違いや好き嫌いからの判断ではなく、選挙公約の実現は民主主義を守る基本であり、その実現に努めなければなりません。

現在進めている庁舎建設計画は選挙の際の主張とは全く異なってしまっています。

本年においても、西岡市長の言葉は美しく市民の耳に響きますが、前のめりの言動が先行し、その後、修正・撤回、そして、謝罪となっているのです。

全ての施策は打ち出すときは思い付きでなく、あらゆる方面から検討し主軸がぶれないことです。ぶれが、無駄な作業に費やす時間を増やすことになり、職員の仕事に対するモチベーションにも影響を与えることになります。爪先立ちのままでジャンプはできません。大きくジャンプする時は腰を落とす必要があるのです。

私自身は、健康寿命を1年延伸することができました。そのため、市内6か所のラジオ体操会場を巡回し、参加率は90%を超えました。また、ウオーキングは毎日20キロメートルを目標に歩き、スマホの歩数計の歩行距離は6千キロメートルを超えることになり、日本列島最北端の択捉島から最南端の無人島である沖ノ鳥島を往復して多少余る程でした。1日あたり約16キロメートルになり、毎日小金井市域を一周したことになります。本年を漢字一文字で表せば「歩」になります。

末筆ですが、迎える新年が、世界中が平和で災害のない、幸多い年であることを心から祈念いたします。

(つづく)