走り続けた16年(74)

西岡市政、折り返し点を経て⑤

西岡真一郎市長が誕生し最初の議会は、平成28年1月23日の臨時会で、1日だけの予定で開かれました。

提案された補正予算は学童保育所運営に要する経費です。すでに平成27年4月からさわらび学童保育所の運営は民間に委託されていました。しかし、事業者が新年度からの学童保育所運営を辞退したことから、新たに決定した事業者へ円滑に事業を継続させるための支援委託料を補正するものでした。

提案された補正予算に対し、7人の議員から資料請求があり、その資料から質疑の困難さが想定され会期を1日延長。さらに、11日間会期を延長し、2月2日に開かれた本会議で、西岡市長は「(篠原ひろし)議長から、市議会における状況等を勘案し、相応の対応を求める旨の進言を頂戴いたしました。私は市長として、各種業務の民間委託については推進すべきと考えています。しかし、市議会の状況を踏まえると、平成28年4月からさわらび学童保育業務の民間委託での継続実施は困難であり、円滑な業務運営が難しいことから、引き続き学童保育関係者のさらなる理解を得ながら、平成29年4月に改めて民間委託を実施するとの判断に至りました。このため、議長からの進言を重く受け止め、本議案について撤回させていただきますので、よろいくお取り計らいくださいますようお願いいたします。」という発言となり、多くの職員が時間を掛け、苦労して民間委託したさわらび学童保育所は一瞬にして直営に舞い戻ることになりました。議員の多くは、さわらび学童保育所の民間委託の継続に反対ではなく、丁寧な議会運営が必要だったのです。直営に戻すことにより、4月から任期付き職員2名、5月には正規職員2名の学童保育育成員を新たに採用することになり、職員数を増やすことになりました。

「真の行財政改革」をスローガンとして、「行革が進んでいない」と、これまでの市政を厳しく批判してきた西岡市長のスタートであるだけに、非常に残念な思いでした。しかし、29年は無理だったが、30年度からは新たな事業者により委託が復活できるのは良かったのですが、この2年間の職員の苦労は何だったのかです。また西岡市長にとって最初の定例会になる平成28年第1回定例会が2月22日に開会され、3月29日に閉会しました。

一般会計予算は、歳入歳出それぞれ402億400万円が提案され、予算審査での主な質疑は①市長の公約である市庁舎や福祉会館、図書館等の6施設複合化実現の可能性。②職員給与引上げに伴い、市の人件費と財政状況。③東京都の都道の優先整備路線となっている「はけ」を横切る2路線の整備に関する市長の考え方、等が問われ、3月28日の本会議において賛成2反対19で否決されました。

一般会計予算が否決されたことから、4・5月の2か月間は暫定予算となりました。

(つづく)

走り続けた16年(3)

小金井市長選挙③

昨年暮れの市長選挙とともに市議会議員の補欠選挙が行われました。

これは、市長選挙に立候補を予定する2人の市議が辞職したことによるもので、市議会に欠員がある場合は市長選挙の際に補充することになります。

地方自治体に議員定数は各自治体の条例により定めるとされていますが、小金井市は町の時代から26人と定めていました。

小金井市議会は、平成8年に欠員が1名あったこともあり、条例を26人から25人に改正し平成9年の選挙から適用しました。これは小金井市が町の時代から初めての条例改正でした。その後、平成9年6月に提出された〔市議会議員の定数削減を求める請願書〕が採択されています。

これは、議員定数を20人まで選挙ごとに減員するという内容で、平成10年9月本会議で採択されており、まさにこれが議会意思でした。

平成11年4月に行われた市長選挙でも市議補選がありました。すでに生じていた欠員と市長選出馬のための辞職の2議席で、私の市議辞職の時期によって3議席になるものでしたが、私の議席は補選をせず欠員のままでいくことにしました。それは、平成10年12月、議員提案で定数削減の条例が提案されましたが採決されないまま継続審査になっていたからです。ここで私の辞職が早まれば補欠選挙になり定数削減が遠のくとの判断から補欠選挙にならない期間での辞職にしました。

その結果、11年6月に条例が改正され、平成13年の選挙から現在の24人の議員定数になりました。

今回の市長選挙でも現職議員の出馬があれば、定数を減らすチャンスだと思っていました。議員が市長選の届出をして失職となれば補欠選挙にはならず欠員になります。
しかし、市議会が選挙前の11月開催になったため選挙準備の必要から早めの辞職となり、補選になりました。議会に欠員があれば定数削減の引き金になると思っていたのですが。(つづく)

市政の現状も見てみよう。

「今、市政で何が」

西岡市長は就任後初提案の学童保育の補正予算を撤回しました。そのため、行財政改革でもあり、辛く厳しく苦しみの中で成し得た学童保育の民間委託による運営は一瞬にして直営に後戻りとなりました。全く理解できず非常に残念です。『建設は死闘、しかし破壊は一瞬』です。

また、24人中21人の市議から「新福祉会館建設について市長の方針を明らかにすることを求める申し入れ」が提出され、全員協議会の開催となりました。「選挙公約」であり選挙戦の最大の争点となった「公共施設の集約」に対し、福祉会館の建設は緊急を要するものと判断しての申し入れと思われますが、市長からは自身の「選挙公約」にかかる明快な議会答弁はなく、今後、「選挙公約」を行政内部で検証するとの発言にとどまるものでした。それなら「選挙公約」とは一体何なのかと考えさせられてしまいますが、2月22日に招集される第1回定例会でその辺が明らかにされるものと思われます。