走り続けた16年(111)

これでいいのか小金井市政⑥

平成31年第1回定例会は3月27日未明、約438億円の平成31年度一般会計予算を可決して終了しました。

その他にも本定例会には、高齢者の見守りなどを行う市・社会福祉委員への報酬誤支給問題に対して、西岡真一郎市長自ら「一連の事務手続きに関して適切さを欠いた」として、4月分の給与を30%カットする議案も提案し可決されました。

この問題は、平成5年の改正条例の議案に1万円と記すべきところを1万1千円と誤って記載したため、誤った金額の条例が成立するという単純なミスから起ったもので、余りに単純なミスだけに発見が遅れました。

この社会福祉委員誤支給問題は、外部からの問い合わせにより、平成29年5月16日それが発見されました。しかし、報告を受けた西岡市長は顧問弁護士等のアドバイスがあったにも関わらず、翌年2月まで約9か月間も公表せず、水面下での工作は法律や条例等を無視した行政執行で、考えられないような展開になりました。

それは、誤支給が判明したにも関わらず、引き続き誤支給を続け、平成29年10月、新任の社会福祉委員に対する説明では、条例に反する内容の虚偽の公文書を作成し、その内容の文書を行使して説明する始末です。

平成29年末になってやっと当局は社会福祉委員関係の代表者に誤支給を説明し謝罪しました。その後、平成30年1月下旬から2月にかけて全員の社会福祉委員に説明するとともに、その債権の放棄を求め102人全員から放棄書が提出されました。

そして、当局は平成30年の市議会の開会が近付いた2月中・下旬に、ようやく市議会議長、市議会議員及び監査委員に対して一連の経緯を説明し、初めて公になりました。

西岡市長は「今回の社会福祉委員報酬誤支給に係る一連の事務手続きに関して適切さを欠いたことに対しまして、社会福祉委員及び監査委員、市議会議員の皆様方には、大変ご迷惑をお掛けいたしましたこと、心からお詫び申し上げます」との発言は当然ですが、その外にも市民や職員にも多大な迷惑をかけたことも気付かなければなりません。また、小金井市文書管理規程など具体的な5点の問題についても、選挙公約同様に言葉巧みに擦り抜けているのは残念です。潔く過ちを認めることが最大の再発防止になるのですが。

「私自身が皆様の先頭に立ち、市政の全責任は私自身にあるとの自覚を持ち、今後も皆様とともに歩む決意である」と話し、「頑張った結果の失敗は、全て私が責任をとる」とは、西岡市長が職員を激励する時の言葉で、私も含めて各自治体の首長の常套句です。しかし、今回の事案は市長の指示の下で行われたにも関わらず「関係職員には人事上の措置を講じた」としています。その人事上の措置に関して、議員からその理由を問われても答えられません。個人情報ではなく、市民や職員に理由が説明できないような措置はすべきではないのです。

市政は納税者である市民に対して透明性のあるものでなければなりません。今回の事案は小金井市政に大きな汚点を残すものです。

(つづく)