走り続けた16年(103)

これでいいのか小金井市政①

昨年3月、平成30年第1回市議会定例会は、民生委員・児童委員等によって構成される社会福祉委員への報酬の誤支給問題が大きな問題となりました。

この社会福祉委員報酬の誤支給には大きく三点の問題がありました。一点目は、平成5年の条例改正時、当局も議会側も改正前の月額9千400円から1万円に改正するという認識の下で議案資料や判断材料も1万円でした。しかし、誤って条例本体の改正案には1万1千円と誤記されていました。行政も議会も誰もその誤記に気付くことなく議決されました。しかし、誤記であっても議決された条例が正当と判断されることになります。それに気付かなかったことから、給与条例主義に反して1万円の支給となってしまいました。

二点目は、条例では1万1千円と規定していながら、実際には条例に反し24年間にわたって1万円しか支払われなかったことです。条例に反した支給が発覚したのは、新たに社会福祉委員になられた方から、支給の根拠を尋ねられて、そこで初めて職員が気付くことになりました。

三点目の問題は、平成29年5月16日に過ちが発覚したにも関わらず、その後、9か月も公表せず秘匿し続け、そのまま条例改正もせず行政執行を継続してきたことです。

一点目は、私も議員として議決に関わっていたこと、二点目は市長として16年間この過ちに気付かなかった責任があり、それなりの対応はさせていただきました。

問題を複雑にしたのは三点目です。事務処理上のミスであったことを認めて公にすれば、不注意による過ちで終えたと思われるものを、へたに細工をしたため問題を大きくしてしまった感があります。稚拙な行政執行と言わざるを得ません。9か月間も公にしなかった理由は、詳細な状況把握や原因究明、そして、対象者への対応について慎重に検討をしたため、とありますが、それは、後から付けたような理屈としか考えられず、事態の公表と同時並行して調査すべきであり、「過ちを改むるに憚ることなかれ」です。

その間、顧問弁護士からのアドバイスも無視し、監査委員への報告も押さえ込み、市民代表である市議会への報告もさせないという状況なのです。これが現在の西岡市政の情報公開の対応と考えるべきかもしれません。この問題が9か月も公にならなかったことに、驚きを禁じ得ません。

これらを解明し、市長による一連の事務手続きが法律、条例、規則等に照らし適正だったかを調査するため、市議会は議員案とし、社会福祉委員への報酬誤支給問題に係る監査請求と法に基づく事務検査が、反対もなく全議員の賛成で可決されました。また、社会福祉委員の報酬に関し条例遵守を怠った西岡市長に対する問責決議は与党と目される5人だけが反対しましたが賛成多数で可決されました。これが3月議会の経過の一部です。

国の公文書の改ざんや隠ぺい等々により、国民の行政に対する信頼が揺らいでいますが、私たちの最も身近な市政においても似たようなことが行われたことは残念です。

(つづく)