走り続けた16年(154)

新型コロナウイルス③

新型コロナウイルスが、地球の自転に急ブレーキをかけたような混乱と恐怖を世界中に撒き散らしています。中国に発生し、それが欧米など先進国に蔓延し、その後、医療体制が脆弱で衛生環境も整わないアフリカや南米など発展途上の国でも猛威を振るってます。また、内戦やテロ等で紛争が続く中東諸国にも感染が拡大し、水や食料の不足するスラム街や難民キャンプ等をも直撃しています。

米国と中国の経済対立が、コロナ対策に不可欠な国際協調を乱しています。全世界の国々が協力しなければ、感染の封じ込めも世界経済の再生も果たせません。世界各国がウイルスに関する情報を共有し、ワクチンや治療薬の開発に向けて、国際的な協力体制を築く必要があります。

政府の緊急事態宣言の発令が遅れました。国民の生命、健康を守るための、緊急事態宣言は諸外国より緩やかで強制を伴わないだけに批判を恐れず早急に出すべきでした。

このコロナ禍によって、長い年月をかけて築き上げた社会生活や秩序や慣習が、僅か3か月で一挙に崩壊の危機に直面しています。再び、平穏で安心の生活に戻れるのか、スポーツ、芸術・文化や地域活動等も中断され再生が危ぶまれます。

平成21年4月、新型ウイルスが発生しメキシコなど諸外国で致死率が非常に高いことが報道され、国内でも感染が拡大し、死者が200人を超える状況になりました。私は、市に対策本部を設置し、関係機関の責任者による専門家会議を設置しアドバイスをいただき対応しました。小金井市でも感染者が発生し、全市民に届くようマスクを確保しました。その大量のマスクは在庫として残りました。それが、今回のコロナ禍の中で社会問題化したマスク不足に、医療機関、障害者施設、介護施設、保育園などで8万6千枚が配られることで役に立ったようです。危機管理は無駄に終われば成功と思わなければなりません。

西岡真一郎市長が掲げる「市役所は市民に役に立つ所と書いて市役所である」とか「誇りの持てる小金井」また「市民が『住みやすい』『住み続けたい』と思い、『住んでみたい』と思われる小金井を目指す」とのスローガンは単なる謳い文句ではなく、今こそ、英知を結集し、それを果たすべき時なのです。

国も都も補正予算等で目一杯、コロナ禍に対応しています。小金井市においても、国や都からの支援策を分配するだけでなく、積極的に小金井らしさを示す時にあります。

国民一律10万円の交付金は、小金井市民に120億円が給付されました。これは本来、地元商工振興のため市内で消費してもらう施策が必要であり、希望する人には市がプレミアをつけて市内限定の商品券として発行するべきだったと思います。もし、第二弾があれば、是非、実現を期待したいと思います。

また、この10万円の交付金は4月27日時点に住民登録がある人に限定されています。今後1年位の間に生まれてくる胎児は小金井市の赤ちゃんです。市の独自策として支給すべきものと考えます。

ワクチンや治療薬の開発に期待すると同時に私たちも「新たな日常」を心掛けなければなりません。

(つづく)