走り続けた16年(169)

【今、市政で何が・庁舎問題②】

新型コロナウイルスの感染拡大が第三波に入ったと報じられています。我が国はもとより世界中が大混乱に陥っています。これは、地方自治体も同様であり、小金井市も例外ではありません。

本来であれば、今夏は東京オリンピック・パラリンピックで、日本中が賑わっていたはずで、ホテルでの宿泊に対応できない時のため、民宿を制度化するいわゆる民泊新法を制定したにも関わらず、コロナ禍の影響で外国人観光客は全く見当たりません。市内の飲食店や小売店等に与える影響も甚大であり、事業悪化による従業員の解雇や雇い止め、学生アルバイト等にも影響を与えています。

この様な状況の中、小金井市の今後5年間の中期財政計画が示され、約60億円の税収減が見込まれます。そのため市議会は市の事業の抜本的な見直しを求めていますが進展は見られません。課題の庁舎と福祉会館建設にかかる事業費は図書館を除いても大きく膨らみ107億円にもなっていますが、西岡真一郎市長はコロナ禍とは関係なく計画を推進するとしています。

戦後75年、かって経験したことのない大激震が続いています。その上、先行きは全く不透明です。社会状況はこの1年で激変しました。庁舎・福祉会館の建設も一度立ち止まって考える必要があるのではないでしょうか。

市長は議会からの指摘を受け、基本設計市民説明会や市報を使ってパブリックコメント(意見募集)を行い、多くの市民からたくさんの意見や要望が出されました。

市長案に出された意見は、市民が憩える広場の設置、工期や事業費の縮減、震災対応、そして、日本の標準時を発信する大時計の設置等でした。

6月に入り、実施設計が発注されましたが、それは、基本設計にある通りで多くの市民から出された意見や要望が反映されているとは思えません。

専門的知識を有する一市民が2月の説明会に出席するとともに、基本設計案のパブリックコメント等の意見を反映した案を作成しました。しかし、市長がこの案に目を通すのに9か月もかかってしまったのは残念です。

今、市民団体がこの計画を広く市民に知らせるための広報活動を行っています。その内容はL字型の建物をI字型に変更し、建物を10m程北側に移し、南側に3千平方メートルの市民の広場を生み出すという発想です。

また、84億4千万円の建設費が68億2千万円となり、工期は27か月が17か月で済みます。さらに、建物を横一列のI字型にすることから、福祉会館も、より安全な免震構造とすることができます。

この計画はあくまで専門的知識を持つ一市民の計画です。市長案の問題点を解消する提案であることから、これを無視して進めることは将来に禍根を残すことになります。この計画が実現可能か否かを検証する必要があります。その結果、市長案に優位性があれば、当然それを進めることになるでしょう。

また、日本の標準時は明石市ではなく小金井市からの発信だと、多くの人に知って貰うには、中央線の車窓から見える庁舎の塔屋か壁面に大時計を設置すれば、市のイメージアップにつながります。

(つづく)