走り続けた16年(192)

都議会議員選挙②

7月4日投開票された東京都議会議員選挙は「勝者なき都議選」と言われますが、小金井選挙区は全都7つある一人区のひとつとして注目を集める中で開票されました。

立候補者は前回の選挙で当選した現職の辻野栄作氏に対し、次点の漢人明子氏と広瀬真木氏と前回とほぼ同じ顔ぶれになりました。

4年前の都議選は小池百合子都知事が創設した都民ファーストの会(都民ファ)の旋風が吹き荒れた結果、公認の辻野氏が1万6千39票、漢人氏が1万3千531票、広瀬氏が1万1千293票であり、他の2候補は合わせて6千21票でした。

今回の都議選の結果は、漢人氏が前回を約5千票上回る1万8千789票(45・4%)で当選しました。漢人氏には、3月に行われた市議選で当選した24名の議員のうち11名が応援に回り、その議員の市議選での得票は1万6千437票でした。漢人氏を推薦する政党に所属するが、立場上表立った活動がしにくい一議員の票を加算すると1万7千748票となり、漢人氏の得票にほぼ符合するものです。一方、広瀬氏は1万4千97票(34・1)と前回を約3千票の上積みがありましたが、当選には約4千700票及ばず次点に終わりました。また、応援した自・公を中心とする8名の議員の市議選での得票は1万967票であり、支援議員の市議選での得票差は6千781票でした。

また、現職の辻野氏は都民ファの公認で、特定の市議等の応援は見えず、もっぱら小池知事頼みの様相で、8千502票(20・5)の得票で、前回の半減となりました。都内の診療所で医師の仕事をしてることや、コロナ禍で市内でのイベントの多くが中止になったことで、市民との交流も限定されていました。

前回選挙の2か月前に小金井市に転入してきた広瀬氏は、この4年間地域活動や政治活動に努め、小金井市で結婚し子どもも授かるなど市民に溶け込み、今回は公明党の支援も受けましたが当選には及びませんでした。

コロナ禍の中で繰り広げられた選挙戦は、3月の市議会議員選挙同様、これまでの選挙とは全く異なった様相となりました。

選挙は、多くの有権者に候補者の顔と名前を覚えてもらい、政策を理解してもらうことですが、コロナ禍のため屋内での集会や支援者への挨拶回りは自粛せざるを得なくなり、マスクで顔を覆った選挙戦となり、顔と名前と政策を訴えるのは困難と感じました。

当選した漢人氏は、立憲民主党、共産党、社会民主党、生活社ネットワーク、新社会党等の推薦を受け、選挙公約はオリンピック・パラリンピックを中止しコロナ対策に集中。また、都市計画道路の建設反対等、国政も小池都政にも厳しい批判が中心の主張で「小金井と都政をつなぎます」との公約が果たせるか疑問を持ちます。

武蔵小金井駅南口の再開発や、現在80%超まで完成した東小金井駅北口の区画整理。また、緑中央通り等の都市計画事業も反対運動から始まりましたが、完成すれば評価は一変するものです。

小金井市を代表する唯一人の都議会議員は、ただ反対を主張するだけでなく、それを解消するための解決策や代案を示さなければならないと考えます。

(つづく)