走り続けた16年(237)

新市長に白井亨氏

西岡真一郎市長の突然の辞職による市長選挙と市議会議員補欠選挙が11月27日投開票され、市長には白井亨氏が、市議補選の2議席は河野麻美氏と高木章成氏が当選しました。

市長選の白井氏の得票は2万7千251票で、共産党推薦の小泉民未嗣候補の7千1票とは大差となりました。

問題は、白井、小泉の両候補とも革新系であり選挙公約に大きな違いがないことから、盛り上がりに欠ける選挙になったことです。

また、自民党が候補を擁立することができなかったことで、選択肢が限定されたこともあり、投票率が34・25%で前回の市長選を5ポイントも下回り過去最低を記録し、無効票も2千票を上回ってしまいました。これは、西岡市政を支えてきた与党議員や支援者も積極的に参加できる状況になかったことも一因と思われます。

自民党にとっては市長奪還の絶好のチャンスであり、市議会議員等からの立候補が期待されましたが果たせませんでした。

一方、保守系と目される候補者出馬の動きもありましたが、告示日直前に体調不良で立候補を断念したことから革新系同士の戦いとなってしまいました。結局、政党に属さない白井氏に保守票が流れる結果となりました。

また、定数2議席の市議会議員補欠選挙は市長選に候補を擁しない自民党推薦の河野氏が1万5千926票で当選し、2議席目は市議会単独会派の3議員が推す高木氏が9千301票で当選しました。白井氏のグループ「小金井をおもしろくする会」に属する永鳥太郎氏が9千267票と34票差で苦杯を嘗めました。

市議補選の河野氏は告示の1週間前に出馬を決意し、そこから事務所の開設、ポスターの写真撮影と制作、選挙車の準備、政策のとりまとめ、立候補の手続き、5歳と3歳の男児の母としては超多忙なスケジュールの中での選挙となりました。短い準備期間で、市長候補と共闘できないにも係わらず約1万6千票は大善戦であり、この1万6千票は市長選では白井氏に投じられたと思われます。それは、同じグループ「小金井をおもしろくする会」に属しながら、市議補選の9千票と市長選の2万7千票との差にあります。市議補選トップの河野票に永鳥氏の票を加えると、ほぼ白井氏の票に近いものになり、自民党は市議補選で存在感を示し、面目を保ったということになります。

前市長が議会の議決を経ず専決処分した保育園の廃園問題は、議会の不承認にもかかわらず現在も廃園に向けた事務作業が進んでいます。白井市長は専決処分前の状態に戻して廃園の事務作業を止める条例改正案を市議会に提出する考えを示していました。職員は市政トップの言動に翻弄されています。

白井新市長は就任初日の28日の記者会見で選挙戦の公約に掲げた市立保育園廃園計画の撤回や新庁舎建設問題について、具体的な日時は示さず、「市議会などと各種調整をしてタイミングをみる」と述べるに止まった、と報じられました。議会を知る新市長としては慎重なスタートを切ったようです。

新市長には保育園の廃園問題、新庁舎建設計画や都市計画道路の建設問題など諸課題が待ち受けています。

市民の期待に応え、安定的に発展する市政が期待されます。

(つづく)