ウクライナ侵略と参院選
第26回参院議員選挙は6月21日公示され18日間、記録的な猛暑の中で行われ、7月10日投開票の結果、自民、公明の与党が改選前の議席を大きく上回る大勝を果たしました。
私は、東京選挙区は小金井市出身の生稲晃子さん、そして、全国比例は市議時代「無印良品議員の会」を結成し長く活動を共にしてきた同志の山田宏さんの応援をし、結果を出すことができました。
選挙戦ではロシアのウクライナ侵略戦争を念頭に、我が国の防衛・安全保障や円安による経済対策、物価の高騰問題、コロナウイルスによる感染対策など激しい論戦となり、野党は消費税の引き下げや廃止を訴えましたが国民の支持を得るには至りませんでした。
我が国と国境を接する隣国ロシアは独善的理由でウクライナを侵略、中国は経済対策を含め着々と海洋進出を進めています。また、北朝鮮は国民生活が窮乏状態にあるにもかかわらず、ミサイルを連続的に発射し、再度の核実験の準備を進めていると報じられています。ロシア、中国、北朝鮮の3国は国民の自由を制限し正確・公正な報道を規制する中、核兵器で威嚇しています。ウクライナ侵略は非人道的蛮行です。我が国の安全にも疑問を持たざるを得ません。平和を唱え、和平外交を主張していれば平和が守れるか、憲法9条により平和が守れるという発想も、ロシアの侵略で変化しました。我が国と国境を接するロシア、中国、北朝鮮は、核を保有する独裁国家であり、日本が第二のウクライナにならないという保証もありません。また、そのための抑止力が働いているとも思えません。
この度の選挙で憲法改正に前向きな政党の議員が発議に必要な3分の2を超えたことから、憲法改正の公約の議論が本格化されることが期待されます。
安全保障問題に力を注いだ安倍晋三元総理が、投票日2日前の8日、奈良市内で参院選応援演説中、宗教団体に恨みを持つ男に銃撃され死亡するという事件は世界中に大きな衝撃を与えました。安倍総理は先送りされ続けていた安全保障問題など、激しい反対運動のある中で、最重要課題を推進しました。
安倍総理とは秘書に知人がいたことから何回か議員会館でお会いしました。また、平成23年12月に行われた市長選挙の終盤、武蔵小金井駅南口で応援もいただきました。最後に話したのは、昨年7月の都議選最中、駅頭での夜の運動中、私の携帯に総理ご自身から電話がありました。戦況を心配しての電話で、広瀬まき候補が隣にいたので候補者に変わりましたが、広瀬さんの「どちらのあべさんですか?」には、後で大笑となりました。これが最後だったと。理不尽で独りよがりな行動で日本を代表し世界に通用する政治家を失ったことは日本にとっても大きな損失です。
2月24日のロシアのウクライナ侵攻により私は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を自覚してます。それは、昭和20年8月9日のソ連の満州侵攻のフラッシュバックです。当時、私は生後9か月で全く記憶にないのですが、母の手記や聞いた話、書物などによりウクライナ侵略が二重写しになります。8月9日、母と私は南満州鉄道社員の父を残してソ満国境の街を後にしました。それが、28歳の父の最後でした。
(つづく)