走り続けた16年(175)

高齢者の交通事故

交通事故による被害者は高齢者や子どもが多く、また、二輪車の事故も増えています。

高齢者の事故は、横断禁止の道路を横切ることにより、走行中の車やオートバイと接触し、怪我をしたり、場合によっては亡くなってしまうような事故も多発しています。

遠回りであっても横断歩道を渡り、信号を守り、青信号でも点滅が始まったら無理しないで次の青信号を待つことが必要です。

高齢ドライバーの運転する車の事故も多発しています。

平成31年4月19日の昼過ぎ、池袋で起きた自動車暴走死傷事故は大きな社会問題となりました。それは、高齢男性(事故当時87歳)の運転するオートマチック車が暴走し、交差点の歩道を渡っている31歳の母と3歳の女児の乗る自転車をはね飛ばし、死に至らしめ、さらに、多重衝突事故となり、運転者と同乗者を含む10人が重軽傷を負いました。

高齢者の暴走事故の多くは、ブレーキをかけるつもりが、誤ってアクセルペダルを踏み急発進・急加速となり慌てて、さらに踏み込む加速でパニックとなり、車をコントロールできず衝突につながっています。これは、立体駐車場やコンビニ、スーパーの駐車場でも起こっています。

池袋の暴走死傷事故もこのケースと思われます。この事故の運転手は、かつて通商産業省(現・経済産業省)の高官であり、クボタの副社長であったためか、現行犯逮捕されることもなく、当初は容疑者と呼称されていないことなどから、特別扱いではないかと多くの批判が出ました。

裁判の公判では、「ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み続けた」との起訴内容に「記憶にない」と否認し、「車に何らかの異常が起きたと思う」と無罪を主張しています。

この悲惨な事故により、多くの高齢者が運転免許証の自主返納をすることが報じられました。また、各地の警察は運動機能の低下する高齢ドライバーの事故を未然に防ぐため、運転免許証の返納を促す活動に力を入れているようです。

車の自動運転の発達などの安全対策が急速に進んでいますが完全とは言えず、危険は常に伴います。

私も1昨年11月悩んだ末、最後とする免許証の更新をしました。

その2か月後の1月28日に車検が切れることから、26日に銚子での義母の17回忌に行くのを最後のドライブにし、その日に車を手放すことにしました。

その後、1年が経ちましたが、散歩が趣味の私には、特段の不都合は感じていません。

丁度10年間乗ったトヨタプリウスの走行距離は1万4千941kmと短いものでした。

普通免許を取得したのが昭和39年12月9日でしたので57年間乗り続けたことになりますが、この間、無事故で違反は駐車違反程度で終えられたことは幸運だったとの思いです。

安全運転には自信がありましたが、事故に遭わないという保証はなく、事故を起こせば加害者が、結果的には被害者になってしまうこともあります。

高齢者の免許証自主返納を促進させるため、市としてもココバスや体育施設、美術館など公共施設の割引や無料化などを活用してはいかがでしょうか。

(つづく)