▼ごみ問題で報道をにぎわしていますが、どういうことですか?
小金井市が長い間焼却場として使っていた二枚橋焼却場が老朽化し、閉鎖しました。今広域支援といって、多摩各市や各一部事務組合(焼却場を運営)にお願いして燃してもらっています。4年間続けてきましたが、今年の春の市長選挙で当選した佐藤市長がその費用を無駄、さらに焼却方法を否定したことが原因で、結局佐藤市長は責任をとって辞職したため、12月18日にまた市長選挙が行われるのです。
▼何故二枚橋焼却場をもっと早く建て替えなかったのですか?
私が議員になる前の昭和60年に建て替えの話が進んでいたところ、小金井市議会が建て替えのときは第二工場をつくるべきと決議したことから、一緒に運営をしていた調布市と府中市の信頼を損なってしまい、その後建て替えの話ができなくなってしまったのです。そして、二枚橋焼却場は閉鎖、解散をしました。
▼小金井市は焼却場をどう考えているの?
解散に至る前に、将来国分寺市と一緒に焼却場を作ることを話し合い、今の国分寺の焼却場に約10年間はお願いし、その後は小金井市の新たな焼却場で一緒に燃そうという計画を立てました。そして、小金井市の中で新処理施設を建設する場所を決めるのに、市内各地から市民に参加していただき、1年3か月をかけて市内のあちこちを捜してもらった結果、やはり二枚橋焼却場跡地という答申が出ました。そこに建てるために、調布市や府中市や周辺の方々のご理解が必要ですが、この土地を使わせて欲しいと交渉したものの、特に調布市の理解が得られないため交渉は難航しています。
▼何故、調布市は反対なんですか?
昭和60年の小金井市議会の決議もあり、調布市議会が調布市域に二箇所の焼却場は必要がないという決議を全会一致であげています。
▼本当に小金井市内には他に土地がないの? 公園だって広いのに。
前述の市民検討委員会は、1万平方メートル位の土地をすべて(公共用地、民有地110ヵ所)を検討の対象にしました。公園という声も多く、市は東京都にかけましたが、法律上できないという回答でした。その結果として二枚橋跡地が答申として出されたのです。
▼他に方法はないのですか?
市内に新たな施設を作るのが困難となると、多摩地域にある一部事務組合に加入させていただくという方法も含めてあらゆる方策を検討していきます。
▼他市の動向は?
他市にからむ方策は交渉ごとであり、信頼関係があって物事が成り立つのではないでしょうか。
実は、平成10年最終埋め立て処分場として使用している二ツ塚処分場を作るとき、反対の陳情を議長裁決で採択した小金井市議会は、意見書を出し、処分組合から離脱させられそうになったことがあり、ここでも小金井市は多摩各市の信頼を失いかけました。過去の経過から多摩各市の小金井市を見る目は厳しいものがあります。
▼生ごみの処理をするとごみが減って有効だという意見を多く聞きますが、それなら早くやれば良いのではないですか?
生ごみの別処理については、小金井市は何年も前から積極的に取り組んでいます。学校や保育園の給食からでる生ごみは堆肥化の機械を導入していますし、家庭での電動堆肥化機械や乾燥機には8割まで(上限5万円まで)の補助をした結果、かなり生ごみは減量され、家庭から出る燃やすごみは今日本一少ない市となりました。
さらに、堆肥化施設のようなものを作るためには土地に制限があり、準工業地域でないと建設が認められません。土地の用途を変えるには周辺住民の理解が必要であり、ハードルは高いと思われます。
▼建設場所として自動車教習所が売却されるときに、稲葉市長が買わなかったことが批判されていますが。
公有地拡大法に基づく受付けは確かに自治体に先買い権がありますが、数十億円の土地を買い取るには、財政計画、返還計画、土地利用計画が必要であり、2週間という短い期間でそれらを決定しなければなりません。予算が通る見通し、用途地域変更が通る(近隣住民の賛成)見通しなどがないと決定できるものではありません。
さらに大和自動車教習所を買うべきという陳情が出たときは、議会は審議未了廃案という措置をとりましたが、これは一人でも反対がいたらできない措置で、全員が陳情を廃案にすることに賛成したということです。
▼平成16年に稲葉市長が再開発の是非を問う市長選挙に出たために、二枚橋焼却場を構成する三市の合意を得る機会を逸したという批判もありますが。
既に、二枚橋は200t/日という処理量を決めており、調布市は将来的に三鷹市と共同処理する方向を決めていました。府中市も半分は多摩川衛生組合で処理をしており、この200t/日という大きさでは三市共に全てのごみの処理をするのは困難という状況でした。結局、分散処理を避けられないことから解散の方向を確認したのは、この年でした。
批判は当たらないと思います。
▼国分寺市が小金井市のごみを焼却する量の見通しが甘かったという批判もありますが。
国分寺市との協力関係が始まった当時は、国分寺市も調整に当たった東京都も小金井市の全量を処理できると判断していましたが、数ヵ月後に無理なく理想的に処理するとすれば3分の1程度という報告をいただき、それから他市との支援交渉が始まったという経過です。
▼今後の見通しはどう考えますか?
恒久的な方策も、支援のお願いも他市との交渉ごとであり、佐藤前市長のように批判的な言い方をすれば交渉は成り立ちません。今後のことはこれからの交渉になるわけですが、今小金井の中でこの交渉ができるのは私しかないでしょう。これまでの経過や他市の状況等一番良く知っていますので。これまでの経験を生かし、平成24年度中に実現可能な方針を出します。