職員向け年末の庁内放送

 

12月28日(水)職員向けに、以下の内容で年末の庁内放送をいたしました。

「職員の皆さん、市長の稲葉です。

いよいよ平成23年(2011年)も残りわずかになりました。そして、今日は仕事納めです。しかし、部署によってはまだまだ仕事が残っていて、なかなか身体も気持ちも休まらない職場もあるとは思いますが、1年間お疲れ様でした。

今年の1年を振り返って、皆さんにとって、どんな年だったでしょうか。当初の計画通り進んだか、課題を残しているか、様々だとは思いますが、新しい年の仕事に生かして欲しいと思います。

年末恒例の清水寺の貫主が特大の和紙にした本年1年の世相を表す漢字1文字は「絆」でした。

今年は、ニュージーランド地震やタイ洪水など海外でも大規模な自然災害が発生しました。国内においては、改めて言うまでもありませんが、3月11日に東日本大震災が発生し、多くの貴い命が失われ、被災された方々は未だ不便な生活を余儀なくされています。

都内でも交通機関が麻痺し、多くの「帰宅困難者」が生まれました。また電話などもつながらず、家族や友人との連絡がなかなかとれず、多くの人が不安な時間を過ごしました。

小金井においては大きな被害はありませんでしたが、帰宅困難となった方々の休憩場所として集会施設などを開放するほか、市内の保育園や学童、また一部の小学校においても、家族の迎えを待つ子どもたちを、施設によっては深夜まで預かりました。いち早く家族に会うため、都心から徒歩や自転車を購入してでも駆けつけたお父さんやお母さんに、家族の絆を改めて実感したことを今でも思い出します。

震災の影響により、福島の原子力発電所の事故による放射能の問題、また、東京電力の電力供給量の低下による計画停電など、震災に関わる暗いニュースが多い一年となりました。

このような中、なでしこジャパンが、チームの「絆」によって、見事ワールドカップで優勝し、多くの国民に感動と勇気と笑顔を与えました。また、FC東京がJ1に復帰したことも、明るいニュースであります。

そして、今年も小金井市の子どもたちは頑張りました。学力だけでなく、スポーツや音楽、文化・芸術、ボランティア活動など、多くの分野で活躍し、素晴らしい成果を上げてくれました。特に被災地への様々な支援に積極的に参加しました。これは、学校や地域、そしてすべての基本となるべき家庭の絆がしっかりしているからだと思います。未来を担う子どもたちが、より健全に育つための環境整備を教育委員会とともに、進めていかなければなりません。新しい年も、子どもたちが飛躍してくれることを期待しています。

大変残念だったのが、小金井の初代市長の鈴木誠一さんのご逝去でした。お年は100歳でありました。今の小金井市の基礎を造っていただいた方であり、小金井に多くのことを残してくださいました。その功績は数えればきりがありません。心からご冥福をお祈りいたします。

小金井市の喫緊の課題はごみ問題です。本年度の可燃ごみの処理は、広域支援ということで、稲城市、狛江市、府中市、国立市で組織される多摩川衛生組合をはじめ、昭島市、日野市のほか、多くの団体のご支援をいただいています。処理していただいている団体、そして、施設周辺にお住まいの皆様に深く感謝申し上げるとともに、一日も早く安定的な処理ができるよう全力で取り組んでいるところです。職員の皆さんにも理解と協力をお願いします。

街づくりについては、昨年12月にJR中央本線三鷹~立川間の高架が完成し、市民生活や商業活動は大きく変化しました。駅周辺の整備も進んできました。引き続き、駅舎や側道整備、そして高架下の活用などを進めていくことになります。

また、市民待望の「市民交流センター」は、都市再生機構の都合で引き渡しが延期されたことにより、本年4月から都市再生機構の暫定管理としてオープンしました。今後は、旧公会堂に代わる文化・芸術の拠点として、円滑な運営のもとに取得に向けて準備を進めてまいります。

最重要課題の一つである財政再建も職員の皆さんの協力により、危機的な状況は脱しましたが、経済不況等の影響により福祉関連経費の自然増が大幅に見込まれることに加え、最重要課題である新ごみ処理施設の建設や新庁舎建設計画、都市基盤の整備など、今後多額の財源を必要とする課題が山積しており、厳しい財政状況が続くことは明らかです。そのような中で、市民ニーズに応えていくためには、税収構造の改善や不断の行財政改革が必要です。職員の皆さんには、この様な財政状況を十分に理解し、市民からお預かりした税金をいかに効率的、効果的に使うかを常に念頭に仕事に取り組んでください。

また、職員の皆さんには、ご自身の健康管理に注意してください。また、仕事と生活の調和のとれた働き方ができる環境を整えることも重要であると考えています。

さて、私は、4月の市長選挙以来、約8か月間、遠くから市政を見てきました。一時離れることで、気がつくこと、見えてくるものもありました。この年末年始の休暇は6日間ですが、職員の皆さんもこの1年を振り返り、また、新しい年の目標を定め、市民に信頼される市役所を作るため、お互いに力を合わせて頑張りましょう。

最後に、この1年間の皆さんの活躍に感謝するとともに、迎える新年が皆さんやご家族の皆さんにとって、また小金井市にとっても素晴しい年になることを心から祈念し、年末の挨拶とします。どうぞ皆さん、よいお年をお迎えください。」

(2011年12月28日)