走り続けた16年(2)

小金井市長選挙②

昨年12月13日に執行された小金井市長選挙で西岡真一郎氏が当選し、18日から新市長による市政がスタートしました。選挙の最大の争点は庁舎問題となりました。

西岡氏は、庁舎建設用地の蛇の目跡地に市庁舎、福祉会館、図書館など6施設を集約することを公約しました。これは、これまでの市政の方向を大きく変えるもので、実現可能なのか疑問を持たざるを得ません。西岡市長は庁舎建設の全体計画を市民や議会に示さなければならないと思います。

私は約17年前、平成11年4月25日の市長選挙に当選させていただき一期目がスタートしました。

大久保慎七市長の任期満了に伴う市長選挙で私を含め4人の新人が立候補しました。多くの選挙を経験してきましたが、私自身としては最初の全市的な選挙であり、係わる人の数や仕事量の多さなどに戸惑いを感じての準備と選挙戦でした。

選挙日、投票が締め切られ開票が始まりましたが、なかなか結果が出ません。しびれを切らした事務所から自宅で待機する私に「支持者が集まり出したので、事務所に来るように」と指示が出ました。結果も分からず妻と北大通りを、負けたときの挨拶を考えながら歩いていると、小金井街道の方から数人の人が「勝った」と叫びながら走ってきました。

事務所は内外とも大勢の人でいっぱい、609票差の勝利を皆が喜んでくれるのを見て、嬉しさと責任の重さがこみ上げてきました。

小金井の場合、投票日は25日で、翌26日が市長の任期の初日でした。真夜中に大久保市長から「後は貴方に任せた」と市政のバトンタッチが行われたのです。

(2度目の市長選挙は、平成15年4月27日に行われ、すでに市長の任期が終えており、空白の1日となりました)。

日付が変わり事務所を閉めた後、若い頃からの友人であり地方政治の師でもある武蔵野市長選挙で5選を果たした土屋正忠氏の三鷹駅北口の事務所を訪ね、お互いの当選を喜び合うとともに、隣接する市長になったことや、財政豊かな武蔵野市と厳しい状況の小金井市のことなど、旧知の仲間を交えて話もはずみ、自宅に帰ったのは明け方でした。

一睡もしてなかったが緊張感からか、選挙の疲れも睡眠不足も感じず、その後長く続く、通い慣れた道を歩いての初出勤でした。

まず、当選証書を第二庁舎8階で選挙管理委員会から授与され、市長として正式にスタートしました。

そして、本庁舎前の駐車場で大勢の市民や職員の出迎えをいただき、玄関前で初登庁の挨拶をし、花束の贈呈を受け市長室に入りました。

その後、理事者や部長職で構成する庁議や管理職への挨拶を兼ねて職員向け就任の庁内放送など担当者の示すスケジュール通りの行動で、午前零時に始まり、その後16年間続く市長としての長く忙しい初日となりました。

(つづく)