走り続けた16年(189)

コロナ禍と新庁舎問題②

新型コロナウイルスの感染拡大がなかなか収まらない状況です。その中で、コロナ禍の切り札であるワクチン接種が本格化しています。ついに、東京、大阪で大規模接種会場は自衛隊の出動となりました。また、企業や大学の集団接種も始まり現下の異常な状況を収束させるには、可能なことは迷わず実行していくことが肝要です。

小金井市のワクチン接種が順調に進んでいることがテレビ等で報じられています。医師会・医療機関と行政との連携が上手くいっていることで、令和3年6月15日現在、高齢者の接種率は70%で多摩地域ではトップです。

診療所等の数は武蔵野市や三鷹市と人口割りで比較しても少ないにもかかわらず接種率が高いのは、医師会や医療関係者、そして、行政の頑張りにあるものと思われます。

さらに、武蔵小金井駅北口の現在閉鎖中の旧西友ストアの建物の2階と3階を使って大規模接種会場とし、7月、8月にかけてモデルナ社のワクチン接種が決定し、小金井市のワクチン接種は一層進むことになります。

私も、かかりつけの医師により1回目の接種を済ませました。全く副作用もなく6月28日の2回目の接種が待たれます。

さて、5月1日号の市報に「新庁舎・(仮称)新福祉会館建設に係る浸水対策について」の記事が掲載されました。内容は、「庁舎建設予定ちの敷地全体のユニバーサルデザイン等を考慮した平常時の使用方法および震災・豪雨時における防災庁舎としての機能確保等の検討に加え、工事費、計画期間および近年の他市における新庁舎の浸水対策等を総合的に判断した結果、建物を浸水から守る地盤レベルに見直すことといたしました」とあり、計画期間が7か月延伸される、と記述されています。

この事業変更にはいくつかの問題があります。そのひとつは、浸水予想区域図は、令和元年6月に都から通知されたもので「新庁舎建設エリアの建物部分、駐車場、広場の部分が1メートルの浸水深となる」とのことです。4か月後の10月、市と設計業者とCM(コンストラクション・マネージメント)事業者により、この情報は共有されるが、具体的に対応されることもなく、令和2年2月、基本設計が完成し、さらに、6月には実施設計に入ったのです。

CMとは、本事業を包括的に管理運営してもらうため委託した事業者で、委託費は1億円です。浸水深をCMも設計業者も知りながら手戻りの設計変更1千800万円を小金井市がなぜ全額負担しなければならないのかです。

また、この1メートルの浸水深に対応するため市は、建物の床レベルに嵩上げし敷地の一部(駐車場)を盛土するというもので、庁舎と駐車場の間は溝になりますが、これは、スロープや階段でバリアフリーにするということです。しかし、防災の拠点として50年、60年と使用する庁舎です。工事費の3千万円増と工期が延びることが問題のようですが、あえてバリアを作らず敷地全体を盛土し浸水を防止すべきです。

第二庁舎を適正な金額で借用し、適正に使用すれば無駄とはいえない、が私の持論ですが、早期竣工のための拙速は避け、慎重な判断が求められます。指摘の声が聞こえてこないのも残念です。

(つづく)