走り続けた16年(191)

都議会議員選挙①

次期衆院選への前哨戦とも言われた東京都議会議員選挙(定数127)は6月25日告示され、7月4日に投開票されました。

前回の都議選は小池百合子都知事による旋風で、知事が創設した地域政党「都民ファースト」が50名の公認候補を擁立し、49名の当選と圧勝しました。その後、追加公認で55議席になり、一気に都議会第一党に躍り出て、自民党は28議席と歴史的敗北を喫しました。

4年の時を経て、自民党が雪辱を期する今回の選挙は、新型コロナウイルスへの対応や東京オリンピック・パラリンピックの在り方が大きな争点になるとともに、到底許し難い国会議員による政治とカネの問題や、公文書の改ざん等問題が逆風となりました。

マスコミ等の選挙前の予想では、自民党が勝利し、自・公で過半数(64議席)の可能性があるとされました。自民党は60名の候補者を擁立し、33名が当選を果たし、8名の増となり都議会第一党に復帰はしましたが、改選前の議席が25議席と過去最低であったことを考えれば決して満足できる数ではありません。自・公で目標とする過半数にするには、自民党は少なくとも41名以上の当選を果たさなければなりません。それが33名では敗戦ということになります。

一方、公明党は23名全員の当選は厳しいとの予測を覆し、全員当選を果たしたことは見事という外ありません。当落線上の7名が危いとの予想もありました。今後、参考にする必要があります。

共産党は41の選挙区に31人を擁立し、東京五輪の中止を公約の全面に掲げて1名増の19名の当選でした。

立憲民主党も五輪の中止や延期を主張し、28名が立候補し改選前の7議席から15議席と倍増となりました。しかし、国政野党第一党としての議席数としては満足できる数ではないと思われます。

与党である都民ファーストの会は、前回の選挙後、会を離れる等により改選前の議席は46になり、これに47名が立候補しました。選挙前には一部に壊滅的な結果を予測する声も聞こえましたが、31名の当選を果たし都議会第二党の位置を確保しました。これも、小池知事による影響なのでしょうか。小池知事は都議選告示3日前に過労を理由に入院し、積極的な選挙戦を回避していたのは選挙後の議会運営に向け自・公への配慮があったのか。選挙戦最終日の3日は、朝から都民ファースト候補の応援に回り、マスコミがこれを大々的に取り上げ、功を奏することになります。この結果、自・公への顔を立て、特別顧問の都民ファーストにも義理を果たしたということでしょうか。

この選挙結果は秋までに行われる衆院選に与える影響は必至であり、各党ともその対応策に取り組むことになると思われます。

今後、政府が取り組むべきことは、新型コロナウイルス対策であり、感染拡大を押さえ込むとともに、現在進みつつあるワクチン接種の円滑な推進のための安定供給であり、コロナ禍での経済の再生や市民生活の安定のための施策が必要です。また、間もなく開会する東京五輪・パラリンピックに安全を第一に全力で取り組み、何としても大会を成功させなければなりません。

(つづく)