走り続けた16年(121)

給食の委託化と都議選の顛末③

小金井市の危機的な財政状況を打開するため平成9年、計画期間を6年間とする第一次行財政改革大綱を大久保市政の下で作成し、11年度からは私が引き継ぎ、人件費の抑制など当初計画を上回る成果を上げました。

「量の改革」は一定進みましたが、平成14年からの第二次行革大綱では「量」に加え「質の改革」にも踏み出しました。

平成17年、総務省の助言もあり、二次行革(改訂版)を策定し、その中に学校給食調理業務の民間委託化が定められました。

私は市長就任以来、民間にできることは民間に任せるべき、との考えから技能労務職(現業職)の採用はしないという方針を貫いていました。そのため、退職等で欠員が生ずれば非常勤職員で対応しました。因みに非常勤職員の報酬は週30時間勤務で年約200万円、40時間で260万円の報酬であり、正規職員の給与は800万円でした。市財政の危機的状況を打開するためには当然とるべき道筋でした。

種々の困難を乗り越えて、中学校給食の民間委託は平成18年9月に市立一中と二中を実施し、残り3校の東中、緑中と南中は平成24年4月に実施しました。次は小学校給食です。

平成24年3月、行財政改革を先頭に立って進めていく総務部長が定年退職になります。後任を副市長等と協議する中で、現在、自民党市議会議員の河野律子さんの名前が出てきました。女性の総務部長は多摩26市にもなく市政最重要課題の行革を進める上で職員組合と直接交渉する厳しい役割であり、小金井市の団体交渉は日付を越えるのは当然で、4時位まで覚悟しなければなりません。43歳の若さでもあり大丈夫だろうかとの思いもありました。副市長の打診に「相談する人もいるので少し考える時間をください」とのことでしたが、「お受けします」との回答を得て発令となりました。

管理職への辞令は各人に課題を与えて交付しました。河野部長には「人件費削減のため、学校給食の民間委託等の人員削減と給与制度の改正に向け、職員の理解を得られるよう努め、強力に推進してほしい」と伝えました。

河野総務部長は、平成24年4月から27年3月まで3年間、地域手当12%を11%へ、さらに10%への引き下げ、住居手当の引き下げ、給料表の改正、部長職給料表の定額化、特別調整額(管理職手当)の定額化、通勤手当の支給上限額の制定、期末勤勉手当の職務加算割合改定、退職手当の引き下げ、高齢職員の昇給停止と抑制、給料表の都表移行時に措置した現給保障制度の段階的解消などの改善や、給食の委託も果たし、職員30数名の削減を行う等の結果、部長就任時70億円超だった人件費は3年後の26年度決算は60億円と約10億円の財政効果を果たすことができました。

河野部長はその後、企画財政部長として、日野市、国分寺市との3市による可燃ごみ処理工場の建設や運営等を共同で行う「浅川清流環境組合」を平成27年7月1日に設立させ、小金井市の喫緊の重要課題に市を代表する責任ある立場でこの大役を果たしました。

(つづく)