走り続けた16年(71)

西岡市政、折り返し点を経て②

西岡真一郎市長が誕生した市長選挙で、西岡市長から「小金井市の財政が厳しいのは行財政改革が進まなかったことが原因だ」と厳しく批判されました。

しかし、私の市長在任中、財政再建、そして、街づくりやごみ問題も大きく進展したと思います。財政再建に関しては、この16年間の財政の柔軟性を示す経常収支比率や小金井市最重要課題の人件費比率の改善率は多摩26市でトップです。それは、職員給与や職員数の削減など職員の身を切る協力や行革を推し進めてきた議員の熱意の成果です。それを正しくご理解いただくため、後日、本欄で報告させていただきます。

西岡市長は「真の行財政改革」を謳い文句に平成27年12月18日任期がスタートしました。そして、就任早々、大きな決断をしました。

それは、職員の給与を大幅にアップするというものです。

小金井市職員の地域手当は長い間10%とされてきました。これが人事院勧告により総務省は小金井市は15%区域と指定し、平成27年は13%、28年は15%と5%アップを2年での制度完成を伝えてきました。しかし、私は小金井市の財政状況から短期間では無理との考えから、職員組合との交渉は膠着状況となり進展しませんでした。

地域手当とは勤務地により生計費・生活条件に差がでることから地域間格差をなくすため支給するもので、本俸、扶養手当、管理職手当の合計にそのパーセントに値する額を加算するものです。

ちなみに改正前の中央線沿線市は武蔵野市、国分寺市、国立市が15%、立川市が12%、三鷹市と小金井市が10%であり、この率は納得できる基準ではなく、私は機会がある度に国に見直しを求めてきました。それは、12〜13%を想定していたもので、15%は意外で国の通知にそのまま従うという考えにはなりませんでした。

私は、退任する数日前に労務担当の管理職に私の考え方を伝えました。それは、前任者の考えは、と問われたときのためで、1%ずつをアップし、5年での制度完成が私の考え方だと伝えました。

12月18日に就任した西岡市長は24日、この地域手当のアップを、職員組合とわずか1週間という時間のない中で合意しました。

市のホームページの市長日誌にあるように就任早々は挨拶回りなど超多忙です。そのような中でなぜ急いで合意しなければならないのか理解できません。制度は理解できても、各部課の抱える課題や財政状況などを把握するには余りにも時間がありません。

この決断が直接の市民サービスであるなら理解しますが、30年以上にわたり市財政に重くのしかかっていて、やっと改善できた人件費なだけに信じられない思いでした。

これによる平成27年度は6千100万円、次年度は1億2千800万円、3年目は1億6千100万円の財政負担が増となるのです。

(つづく)