走り続けた16年(77)

「今、市政で何が」

平成30年第1回(3月)定例会において特に議論になったのは、「特別職の給与に関する条例の一部を改正する条例」についてであり、その質疑の中で西岡真一郎市長は答弁不能となり、結局、条例改正案は撤回することになりました。

議会最終日「特別職の報酬」に関連した問責決議が提案されました。表題は「特別職の報酬に関し条例遵守を怠った西岡市長に対する問責決議」で、全文は次のとおりです。

西岡真一郎市長(以下「西岡市長」という。)は、今定例会に社会福祉委員の報酬に関する条例を提案した。これは、平成5年から24年間にわたり、条例上月額1万1千円のものを月額1万円で支払っていた事実が発覚したことに端を発する改正案であった。

西岡市長は昨年5月に発覚したにもかかわらず、条例そのものの是正措置を行わず、条例に基づく支給もせず、現在に至るまで約10か月にわたり条例に反する事務処理を続けてきた。その間、議会や監査委員への情報共有や相談もないまま、社会福祉委員への説明会を開催するなどして、一人一人に債権放棄の同意を求めていたことが明らかになった。

これらの経過は、「給与条例主義」という地方公務員法第24条第5項の原則、同法32条の法令・条例遵守の原則から逸脱するものである。
議会において、起案書が一切作成されていないなどの事務手続き上の疑義や理事者の判断の適否についての質疑が続き、西岡市長はそれらに答えられず、議案を撤回した。

条例を遵守すべき市長が、行政運営の長として、適正な指示を行わなかったことは、法治主義の根幹に関わる重大な事態である。

よって、小金井市議会は、西岡市長に対し、一連の事態についての責任を問うとともに、速やかに条例に基づく適正な措置を行い、市政への信頼を回復することを強く求めるものである。以上、決議する。平成30年3月28日 小金井市議会

というものです。

この問責決議は賛成17、反対5で可決されました。

平成5年の条例改正の際の単純なミスに気付かず24年間過ちを繰り返してきました。当時、議員として条例改正に加わり、その後、16年間市長を務めた私にも責任があります。この誤りに気付いた職員は評価されるべきもので、私は感謝しています。しかし、顧問弁護士や監査委員の条例の規定どおりに支給する義務があるとの指摘にもかかわらず誤った支給を続けたトップの判断が新たな問題の提起になってしまったのは非常に残念です。

小金井市議会は地方自治法第98条に基づく「社会福祉委員への報酬誤支給問題に係る検査」の事務検査と同条第2項の規定により監査委員に対し、監査の請求を行うことを市議会は賛成多数で議決しました。これにより、閉会中の総務委員会等で再度審査されることになります。議会が行政のチェック機関としての機能をどう果たせるのか。また、監査委員がどのような判断をするかも注目されます。

(つづく)