ファクシミリの設置とコイの救出作戦
平成11年の初当選から約1ヶ月後、公約の一つであるファクシミリを市長室に設置しました。
これまでも「 市長への手紙」や「市政への投書箱」などで市民の声を聞く機会がありましたが、さらに24時間いつでも気軽に意見を寄せていただくため、早速に設置したものです。 お寄せいただいたご意見には必要な対応をさせていただきました。
それは財政問題や街づくり、生活に密着したゴミ問題、街路灯の故障、道路の毀損、また 職員の接遇などなど、市政全般にわたり必要な対応をさせていただきました。
このファクシミリの愛称募集で、市民からの「ふれあい 24 」と命名させていただきました。毎日出勤して最初の仕事はそれに目を通すことで始まります。それは楽しいものでした。
平成12年2月19日に届いたのは、子どもの文字で大きく「市長さんコイを助けてください」とありました。
これは前原小学校3年生の N 君からのもので、内容は日照りによりコイの住み家である野川 が干上がり、橋の周辺のわずかな溜まりに多くのコイがひしめいていて、背びれが水から出ているというものでした。
早速私も確認し、管理者である東京都の北多摩南部建設事務所と相談し、業者を入れて救出することを決めました。
業者は大きな水槽を積んだトラックに、大きな網でコイや他の魚もすくい水槽に入れるのです。
狭い溜まりに背びれ出したコイは30から50cm と大きく、その数は100匹を大きく超える数で、川の中での作業員とコイとの格闘でした。
救出されたコイは市立南中学校のプールに放流されました。狭い溜まりから広いプールに移されたコイは、自由にスイスイ泳いでいました。
この光景を南中の生徒たちは、休み時間に見て楽しんでいました。そんな南中ですが、プール開きが近づいたことから問題を提起してくれた前原小のプールに移しましたが、前原小にも長くはいられず、次の移転先を考えなければなりません。
そこで N 君や 前原小の生徒たちと西の台会館で話し合いました。 私の「料理して食べるのは?」は一蹴されました。しかし、水量の少ない小金井区域の野川では再び同じことになり無理とし、結局、安定的水量が確保される多摩川に近い野川の下流に決しました。
前原小のプールから引き上げる際、稚魚がたくさんいるのが見えました。それに子どもたちはすぐに反応し「大きいのは助けるが小さいのは助けないの 」ということになり、稚魚は翌日子ども達が救出することに決定しました。
翌日子ども達に救われた稚魚は、ビオトープや子どもたちが自宅に持ち帰って育てることになりました。
この一連の出来事は、新聞やテレビの報道番組で「小さな命を大切にする小金井の子どもたち」と大きく報じられました。