走り続けた16年(15)

財政健全化への闘い⑦

私が小金井市に移り住んだのは43年前、昭和48年9月でした。

学生時代に、田無市(現・西東京市)に住んでいたこともあり、住むなら文教・住宅都市で、交通の便もよく環境に恵まれた小金井市にと思い、狭いアパートでの生活が始まりました。

当時、都知事は美濃部亮吉氏であり、多摩各市にも多くの革新市長が誕生した時代で、小金井市も永利友喜革新市政が誕生し、2年半くらい経過した時でした。労働運動も活発な社会的風潮とはいえ、小金井市の労働運動は異常でした。

なぜこの様な激しい運動に突入していったのかと考えると、前号6月21日号当欄に記したように、当局の姿勢が非常に弱腰で、組合に立ち向かう毅然とした対応がなかったこともその一因です。

昭和52年11月24日の日本経済新聞が、全国644都市の昭和51年度の都市財政を独自の調査をもとに分析し、小金井市の財政問題について、人件費比率が全国ワースト1位であること等、一面と見開きのページで大きく報じました。しかし、それ以降も昭和57年度まで7年連続、昭和58年度は2位でしたが、昭和59年は再びワーストに戻ってしまいました。

小金井市の人件費比率がワーストになったのは現業部門の正規職員化と表裏一体でした。全国的にも、多摩地域でも、労働条件、賃金、仕事の範囲など、現業としては比類のない程に突出している現業の直営化は多摩地域には見られないことであり、全国にも例のないことだったと思っています。

その様な間に、我が家にも子どもが生まれ育ち、夏はプールに行くようになると、市内には二枚橋焼却場のプールしかなく、小金井から大勢の人が設備の完備している府中市郷土の森にある市民総合プールにバスを乗り継いで行くのでした。

府中市民プールの料金設定は非常に低料金ですが、市外の人は府中市民の倍の料金になります。そのため、小金井の子どもたちも慣れてくると、府中市民の窓口に並ぶようになることも生じていました。このことは大人にとっては非常に辛いことでした。私が小金井市政に強く関心を持つようになったのは、まさにこれが原点です。

小金井市民は担税力が非常に高いにもかかわらず、公共施設の整備や街づくりが遅れるなど市民サービスが行き届かない根本は何なのかを考えました。そして、地方自治に関心を持ち、市政の改善の方策を考えるため図書館で資料を閲覧したり、議会を傍聴したりしました。

その様な中で、分かったことは、小金井市の労働組合の異常な強さが、現業直営化による職員増を招き、それが、そのまま人件費を押し上げ、財政悪化を生じさせたことにより、市民サービスの低下となりました。「市民のための市役所」とはいえない状況を作ってしまったのです。

これを正すには市議会議員になることだと考え、昭和60年の市議会議員選挙への立候補を決意しました。
(つづく)

平成25年11月18日 市長による職員向け庁内放送

 

職員の皆さん、おはようございます。市長の稲葉です。

すがすがしい空気の中、小金井公園の木々も色づき始め、朝夕は冬の訪れを感じる季節となりました。

先月は、スポーツ祭東京2013や市制施行55周年記念事業など大きな行事を進めながら、同時並行で決算審査を含む第3回定例会も開催されるなど、盛りだくさんの内容でした。それぞれに協力をいただき、結果を出すことができました。職員の皆さんに感謝したいと思います。

さて、先週の月曜日には、第3回定例会で新たに設置された行財政改革調査特別委員会が開催されました。市議会でも時間外勤務の削減など、行財政改革に大きな期待が高まっており、これから本格的に議論されることを踏まえ、職員の皆さんには、もう一度、行革の必要性について考えていただきたいと思っています。

これまでの繰り返しになりますが、行革は手段であり目的ではありません。目的はあくまで市民サービスの向上です。現在、来年度の予算編成に向け、担当課を中心に査定を進めている段階ですが、相当、困難な作業になると感じています。

事業を実施するには、必ず財源が必要であり、その多くは市民の方々の貴重な税金により支えられていることを忘れてはなりません。皆さんの日々の業務の中でも、当初の目的を達した事業や改善の余地がある事業は必ずある筈です。

ただ漫然と前年踏襲という予算要求はないと思いますが、今一度、新たな視点で点検して欲しいと思います。

また、今年度の予算執行についても、事業手法や予算の執行方法を見直すなど、少しでも多く不用額を翌年度へ繰り越せるよう、積極的に経費の縮減に努めて欲しいと思っています。

職員は、「全体の奉仕者」であるとともに、行財政改革の実践者でもあることをもう一度考えていただき、仕事に取り組んでください。

今こそ、更なる行革が求められています。明るい未来を思いながら、一緒に汗を掻いていきましょう。

これから日ごとに寒くなってまいります。職員の皆さんも体調管理には十分注意してください。

終わります。

平成25年9月18日 市長による職員向け庁内放送

 

職員の皆さんおはようございます。市長の稲葉です。

9月8日午前5時過ぎ、地球の裏側ブエノスアイレスから、7年後の2020年開催の夏季オリンピック、パラリンピックの開催地が東京に決定したとの朗報が届きました。イスタンブール、マドリードの強豪を退けての決定です。私は、東京商工会議所での「開催場所決定を迎える会」に参加していました。会場の大スクリーンに映し出されたジャック・ロゲIOC会長が手にするボードに書かれた開催地名を読み上げる瞬間、会場は水を打ったように静まり、そして、「トーキョー」と発した瞬間、満場総立ちとなり両手を天に突き上げ、会場全体は大歓声とともに歓喜の渦に包まれ、鳥肌が立つ思いでした。全国各地、至る所で同様の光景だったと思います。2020年は、まだまだ先のことですが、子どもにも大人にも誰にも夢と希望を与える決定でした。日本が元気を取り戻し、期待される日本経済にも好影響を与えることでしょう。

国体の開催が直前に迫ってまいりました。小金井市では、弓道、バスケットボールの2競技が行われます。生涯学習課を中心に、多くの市民や職員のボランティアの皆さんとともに大会が無事成功するよう、全職員が力をあわせて取り組むことを重ねてお願いします。事前の準備を怠りなく、着実に、そして、全国各地からのアスリートや関係者、愛好者の方々を小金井市で競技や観戦ができて良かったと思い、また、言っていただけるよう、おもてなしの心を持ってお迎えしましょう。

さて、開会中の9月議会において、小金井市の財政が危機的財政状況にあり、行財政改革の必要を議会に説明しております。議会では「職員の意識改革をどの様に進めるか」との質問もいただいているところです。

本年3月、民間第三者機関による行政診断報告書が提出されました。これは、「更なる改革に向けた9の提言」と題して、様々な改善策が短期的な取組、中・長期的な取組として提起されております。これらを行政執行の参考にしていくことになります。

この行政診断を行うに当たって、昨年10月、716人の正規職員及び再任用職員を対象に、アンケート調査が行われました。このアンケートでは、「これまでの行財政改革の取組について、自分でどの程度理解しているか」との問いに対して「全く理解していない」が4.7%、「あまり理解していない」が44.7%、合計で49.4%、つまり約半分の職員が、行財政改革の取組について「理解していない」という結果となっています。

また、「行財政改革の取組について、自分自身で取り組んだ実績はあるか」との問いに対しては「取り組んだことはない」が69.9%で、約7割の職員が、取組実績がないと回答し、その理由は、「行財政改革の取組に関係する事務事業を担当したことがない」が57.3%であるほか、「そもそも行財政改革のことは良くわからない」と22.8%の職員が答えています。私は、職員の皆さんの行財政改革に対する意識の低さに驚愕するとともに、改めて意識改革の必要性を痛感しています。私自身も、市長として職員に市政の現状を伝えきれていなかったことを強く反省しているところであります。

この間、市としては、平成9年、平成14年、そして平成22年と3次にわたり行財政改革大綱を策定し、厳しい財政状況を改善するため努力してきました。しかし、アンケートの結果を見ると、庁内の一部で空回りしていたのではないかと改めて反省するところです。

重ねて職員の皆さんにお願いします。今、小金井市の財政は危機的状況にあり、行財政改革の必要に迫られています。行革は、目的ではなく手段です。目的は、市民サービスの向上です。職員一人ひとりが「事業の目的は何か」「他の方法はないか」「このやり方がベストか」等々、徹底的なコスト意識を持ち、広い視野のもと、これまで以上の自覚と責任を持って仕事に取り組んでください。

私たちは、市民からお預かりした貴重な税金をいかに効率的に使うかを常に考え行動しなければなりません。「最小の経費で最大の効果を上げる」ことが、私たちに課せられた義務でもあります。

市の多くの事業は、市民の貴重な税金を財源に成り立っています。その税金を無駄なく効率的に使うこと、また、職員は、1日1日を無駄なく効率的に使い、市民満足度につなげてください。

市民の方々が何を望んでいるのかを常に念頭に仕事をすること、そして、市民の喜びを自らの喜びにできるようにしてください。接遇はスマイル、仕事はスピード、そして、経費節減のセービングの小金井推進3Sで頑張りましょう。

今日は、小金井市の財政が危機的状況にあることを理解していただくため報告しました。

最後になりますが、充実したワーク・ライフバランスを期待します。終わります。

平成25年6月3日 市長による職員向け庁内放送

 

職員の皆さんおはようございます。市長の稲葉です。

6月も3日となり、先週には例年よりも早く梅雨入りしましたが、木々の緑がいっそう深まり雨の中のアジサイが美しい季節となっています。

今日からは、平成25年第2回市議会定例会が開会されます。新たな議会構成による初の定例議会になりますが、よろしくお願いします。

さて、本市は、景気の低迷や社会保障費の急激な増加等により、非常に厳しい危機的な財政状況に至っていることは、皆さんも既にご承知のとおりです。

そのため、平成25年度予算は、財源補完をこれ以上継続することは困難であることから、財政規律を緩めることなく歳出・歳入の一体的な改革によりこの難局の打開を目指し、実施計画に掲載された政策的経費を含む全ての事務事業について、例外なく抜本的に見直し、これまで以上に徹底したコスト意識のもと、財政調整基金の取り崩しや、臨時財政対策債の発行、繰越金の活用など、全ての行政経営資源を活用して、ぎりぎりのところで何とか市民サービスを維持しています。

しかし、危機的な財政状況の中でも最重要課題であるごみ処理問題、「施設白書」においても明らかとなった公共施設の計画的整備や武蔵小金井・東小金井の両駅を中心としたまちづくり、東日本大震災を教訓とした減災対策等、多額の財源を必要とする重要課題が山積しています。これら重要課題に着実に対応し、将来への責任を果たしていかねばなりません。

小金井市は、今、大変困難な課題に直面しています。しかし、市政の後退はもちろん、停滞も決して許されるものではありません。

市民サービスの向上を進めるためには、これまで以上に徹底した行財政改革を進め、行政診断報告書で明らかになった課題の解決や第3次行財政改革大綱に定められた実施項目を確実に実現する必要があります。

今定例会では、5つの小学校での給食調理業務の民間委託に向けた補正予算を提案しました。この間、関係する職員が最大限の努力を重ねてきた成果だと考えており、この課題に対しては全庁一丸となって乗り越えて行かなければなりません。

今、職員一人ひとりの力を必要としています。

行財政改革は手段であり、目的ではなく、その目指すところは市民サービスの向上です。

職員の皆さんには、市の業務の全てが、市民の皆さんからお預かりした貴重な税金によって成り立っていることを肝に銘じ、一人ひとりが「事業の目的は何なのか」「他に方法はないのか」「収入を増やせないか」といったさらなる徹底的なコスト意識のもとで、これまで以上の自覚と責任を持って仕事に取り組んでください。

共に小金井を元気にしていきましょう。時節柄、身体には気をつけてください。皆さんの頑張りに期待しています。