新春 恒例の歌会始
新春恒例「歌会始の儀」が、1月22日皇居・宮殿「松の間」で行われました。
今年のお題は「夢」で、天皇、皇后両陛下や皇族方をはじめ、国内外からの1万6千余首から選ばれた入選者10人と選者、そして、天皇陛下に招かれた召人の歌が 伝統的な節回しで朗詠されました。
天皇陛下は、昨年地震や大雨で被災した能登半島を訪れ、その時に対面した子どもたちの印象を歌に込められたとのことです。
御製は 旅先に 出会ひし子らは 語りたる 目見輝かせ 未来の夢を です。
私が歌会始で特に印象に残っているのは、令和30年の御製です。
それは 語りつつ あしたの苑を 歩み行けば 林の中に きんらんの咲く でした。
その歌は、天皇(現・上皇)陛下が美智子さまとご散策の途中で見た、きんらんをお読みになられたと報じられました。
上皇陛下は、皇太子時代の戦後を間もない昭和21年の中学から高校生までの5年間、 小金井で過ごされました。
その時、小金井公園でご覧になられた、懐かしい思い出あるきんらんを歌にされたとのことでした。
また、その時の歌会始の召人を、小金井市民であり、現在小金井名誉市民である 作家の黒井千次氏が務められたのも記憶に残るものでした。
召人の黒井千次氏の詠まれた歌は 語るべき ことの数々溢れきて 生きし昭和を 書き泥(なず)みゐる でした。