走り続けた16年(21)

世界平和への思い③

平和、そしてスポーツの祭典であるブラジル、リオデジャネイロオリンピックが開催されています。

日本勢の大活躍もあり、多くの人に夢や希望、勇気や感動を与え、たくさんのドラマが生まれています。これから、パラリンピックも行われます。

4年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けての弾みにもなり、さらに盛り上がっていくことでしょう。この祭典が世界平和に向けての大きな一歩になることを期待します。

8月2日午後、小金井市の平和のシンボルとなるアオギリが西岡真一郎市長、関根優司総務企画委員長によって武蔵小金井駅北口広場の西側に植樹されました。

それは、昭和20年8月6日、広島に投下された原子爆弾で14万人が一瞬にして命を奪われるなど広島は壊滅的な被害を受けました。その爆心地から約1・3㌔㍍の地点で熱線と爆風で幹を大きくえぐられ被爆したアオギリが、その後、青々とした芽を吹き、広島市民に生きる勇気と希望を与えました。その被爆樹の二世になるアオギリなのです。

これは、平成21年8月に長崎で行われた「平和市長会議」の総会において、本市も加盟したことから、アオギリが必要かとの問い合わせが広島市からありました。私は、担当に「必ずもらえるように頑張れ」と指示し、私自身も広島市長に平和事業に対する考えとともに、「小金井市は水と緑に恵まれ、植木の街でもあり、すでにアオギリの植える場所も決めており、三世、四世と増やしていきたい」と私信にしたためた程でした。

植樹の場所については、JR中央線の高架化事業の開始時、移転を余儀なくされた植木畑の白木蓮(はくもくれん)に「この木を残してください」との市民の張り紙がありました。所有者で友人の大久保佐一郎氏と相談し、JR、都の協力で場所を変えて北口に残すことにしました。

移植後も、春には白い綺麗(きれい)な花が満開でした。

それが、道路整備で再度の移植となり白木蓮には大変酷なことであり、不安は現実となってしまいました。

私は大久保氏にお詫びを申しあげ「今後、あの場所には何か記念になるものを植えます」と伝えていたので、このアオギリの植樹はそれにぴったり適うものだったのです。

戦後生まれが国民の80%を超え、悲惨な戦争を体験した人も少なくなり、その記憶が風化されることが危惧されます。それを次世代にきちんと伝えていくため、戦後70年の節目でもある平成26年第4回市議会定例会で、3月10日を「小金井平和の日」と定めさせていただきました。小金井市は空襲による被害は少なく、特に記録なども無いことから東京大空襲の日にしました。

この日に合わせ、市は平和事業を行いますが、戦争の悲惨さを風化させないために、家庭で、学校で、そして地域でも戦争の悲惨さ平和の尊さを次世代に伝えていただくことを願っています。

「世界平和への思い」は今後も適宜寄稿させていただきます。