走り続けた16年(110)

これでいいのか小金井市政⑤

平成31年度一般会計予算等を審議する、最も重要な平成31年第1回市議会定例会が2月20日に開会され、「市長に支給する給料を減額する条例」を西岡真一郎市長は提案しました。これは「社会福祉委員への報酬の誤支給に係る一連の事務手続きに関して適切さを欠いたことに対して、市政執行の最高責任者としての責任を明確にする」というのが提案の理由ということです。

誤支給が公になった昨年の第1回市議会定例会で、その議論の結果、法に基づく監査請求や市議会での事務検査が、議会の議決を経て実施されました。

監査委員の監査報告も議会での事務検査の報告も、非常に厳しく指摘する内容となり、それを受けて西岡市長自らの減給条例提案となったものです。

しかし、その提案理由は「市政執行の最高責任者としての責任」としていますが、これは職員の適切さを欠いた行政執行に対し、市長が責任を取るというのが一般的なパターンであり、今回はこのケースは該当しないと思われます。それは、市長自らの政策判断の過ちによる、責に帰する問題だからです。

それは、社会福祉委員に対して条例で定めた額より少ない額での誤支給が分かっていながら隠蔽し支給を継続する中で、虚偽公文書作成・同行使罪の構成要件に該当すると思われる行為を指示した市長の責任は極めて重いものと言わざるを得ないのです。

西岡市長は昨年の第1回定例会で、この誤支給が問題化されたことから5%の減給条例を提案しましたが、その後、撤回しました。そして、今回は減給率を30%にアップしての提案となりました。

提案に当たって、最高の減給率だと説明されたとの声が漏れ伝わってきますが、昭和61年第4回定例会で、当時の市長は中間処理場の管理運営や、児童措置費の改正問題に関し、その対応に慎重さを欠いたことを反省し行政運営の最高責任者としての責任を明確にするため、給与を40%減額しています。

また、本年豊島区議会第1回定例会で、高野之夫区長は、職務外での犯罪で逮捕された職員を懲戒免職にするとともに、区長が関わることは全くないが、区長としての監督責任を痛感している、と区民に謝罪し、区長の3月の給料を50%減額しています。

この種の減給に係る議案は本会議で即決するのが慣例ですが、市長から監査結果等を受けての説明がされないこともあり、今回は総務企画委員会に付託され委員会での質疑後、可決されています。

私は、この30%が高いか低いかの判断に迷うところですが、減給条例を出したからいいのでなく、市長自身が犯した過ちに対して、市報等を使ってでも市民への率直な反省の言葉が必要ではないかと思うのです。

職員等が行政を執行するには法律や条例等に基づいて行うのが公務たる基本であり、今回のこの事案はそれに反する行為で極めて残念なことです。また情報公開の立場からも、隠蔽していたその態様は市民への背信行為ではないでしょうか。

(つづく)