走り続けた16年(187)

コロナ禍について③

新型コロナウイルスの感染が1年半を経過しても収まる気配はなく、5月の大型連休の後、大都市から地方へ感染拡大が進み、三度目の緊急事態宣言の発令となり、その期間が延長され、さらに、再延長が発令されることになりました。感染は都市部から地方への拡散が進んでいます。

新型コロナウイルスの恐怖に対抗する救世主として期待されるワクチン接種が医療関係者、そして、高齢者に向けて本格化の状況が報道されています。政府は、7月中に3千500万人超の高齢者の接種を終了したいとしています。小金井市では高齢者接種の進捗に、医師会、そして指定医療機関の協力もあり、かかりつけ医による患者の予約が進んだことで、接種率が向上したと報道されています。

高齢者の市民が交わす挨拶は「ワクチン接種した?」「予約できた?」となってます。

私も、指定医療機関で6月7日午後に第一回目を、そして、二回目は6月28日に接種の予約ができました。

最近になって新型コロナウイルスの変異株の感染者が急増し猛威を振るっていると報道されています。それが現在のワクチンで十分に機能するのか。

また、2度の接種により免疫を得たとしても、その有効期間がどの位なのか。インフルエンザのように毎年の接種が必要なのか、免疫期間が長期になるよう今後の研究・開発に期待したいものです。

8月からは基礎疾患のある人々、そして、勤務等で時間的に制約される一般市民への接種となりますが、希望する人全員に少しでも早く接種できることを願うものです。

このコロナ禍による影響で経済状況は悪化し、その長期化が予想され、過去に例をみない経営環境が想定されます。それは、市財政にも大きな影響を与えることになり、昨年10月、市当局は市議会に令和7年度までの5年間の地方税の税収は55億円と予測し、それに地方消費税交付金は6億5千万円の減、合わせて61億5千万円の減収を見込む財政計画を発表しました。これは平成20年9月に経験したリーマンショックの影響を参考にしたものですが、このコロナ禍の影響はリーマンショックを上回るもので、5年間で回復することは困難と思われます。

西岡市長も「先行きが見えない状況にありかつてない市民生活への深刻な影響とその長期化が懸念される」との認識を示してます。

国の施策ですが、高校生相当以下の子どものいるひとり親世帯に対して、コロナ禍の影響を踏まえ、児童扶養手当受給者および同手当受給者相当の収入状態にある世帯に対し、臨時・特別の給付金を対象児童一人につき5万円を支給することは評価されるものです。

また、夢を抱いて大学に入学したが、このコロナ禍によりアルバイトもなく、学生生活継続に困窮している人に対しても「誰ひとり取り残さない政治」が求められます。

それらに対応するには市議会の意思でもある新庁舎等建設の大幅なコストダウンとなる計画の見直しをすべき時にあります。

このコロナ禍を全く想定しない中で立ち上げた計画に固執するのでなく、今、市としていかにあるべきか、一旦、立ち止まって考える必要があります。

(つづく)

走り続けた16年(186)

コロナ禍について②

新型コロナウイルスの感染拡大が進む中、信じられないような課題、問題が次々と顕在化しました。

先ず、世界の科学技術の先頭を走っていると思われていた日本の医学が、このコロナワクチンを米、英、中、露の各国が生産に成功しているのに、国内では生産できず、他国と競っての不安定な輸入に頼らなければならないということが信じられません。そのため、諸外国と比べて接種の時期が遅れ、ようやく始まったが接種率が著しく低く、国も自治体も準備期間が十分あったにもかかわらず、混乱が続いているのは残念です。国は、将来を見据えたワクチン生産の対策を早急に進める必要があります。

また、わが国は先進国の中でも病床数が多いとされてたが、コロナの重症患者により重症病床が満床になり、医療崩壊が起こりつつあります。病院が満床で入院が不可能であるにもかかわらず、通院による感染を恐れ病院離れが起こり、経営が困難にあるともいわれています。そのため、感染の危険の中で活躍する看護師のボーナスの減額なども報道されています。家族等の協力で、献身的に医療に従事する医療関係者には感謝の思いと、恵まれた環境の整備が必要だと思います。

このコロナ禍の令和2、3年の入学式や卒業式、入社式も簡素化され、成人式も中止されるなど、節目に当たる若者たちは本当に不運だと思います。念願叶って入学した大学の授業はリモートでキャンパスも使用できず、友人をつくる機会もなく、入学金や授業料だけは通常通りというのは到底納得できるものではありません。

時を経て、この期間を振り返って、氷河期と呼ばれないようにしなければなりません。

このコロナ禍での非常時、諸外国の厳しい私権の制限が報道されてます。しかし、我が国においては法に基づいての人権を優先することから、非常時における私権の制限が、諸外国と比較して徹底できないという問題点も顕在化しました。

コロナ禍により新生児の出生数が減少となり、一層の人口減が進むことになりました。

経済活動の停滞で直接影響を受けるのは社会的弱者といわれる人々です。今こそ、国も都も市にも、「誰ひとり取り残さない政治」が求められます。

このコロナ禍を契機に変革が進み、社会は一変すると思います。

昨年、令和2年10月2日の小金井市議会全員協議会で、令和3年度から令和7年度まで5年間の財政計画が当局から示されました。これは、平成20年9月の投資銀行リーマンブラザーズ倒産に伴うリーマンショック時の影響を参考に、年間約11億円の減で5年間で約55億円減収。さらに、地方消費税交付金の減も年間約1億3千万円、5年間で6億5千万円の減を見込み、合わせて61億5千万円の減収とされています。

この、歳入の減に対し、歳出の扶助費は子育て環境の整備や経済悪化による生活困窮者支援の増により、大幅増額が想定されます。

リーマンショックに直面した私は、一過性であり数年で回復できると信じていました。今回のコロナ禍は先が見えず、5年で元に戻るのは困難と思われ、政策の大幅な見直しが必要になりそうです。

(つづく)

走り続けた16年(185)

コロナ禍について

中国に端を発した新型コロナウイルス、瞬く間に地球全体に蔓延し社会的、経済的危機をもたらしています。世界中の人々が一斉に生命の危機に直面することは、人類史上これまでに経験のないことと思われます。

連日、世界各国から地元の市町村に至るまで、新規感染者との報道が、早朝から深夜まで繰り返し続けられますが、事態はなかなか好転への兆しが見えてきません。

コロナ禍の救世主とも思われるワクチンの接種が各国で行われ、その接種率や効用が報道される中、遅れていた国内接種もようやく始まり、各地で混乱も起こっています。政府は十分なワクチンが確保されているとしていますが、少しでも早くの心理がコロナの脅威を表明しています。

医療機関が充実し衛生意識が高く、環境が整備されている日本にあっても、この混乱です。ましてや発展途上国や、紛争・内戦により迫害を受け、住み慣れた故郷を追われ難民キャンプでの生活は、医療体制の不備、密集した生活で食料や清潔な水の不足する中、感染者が出れば感染拡大は避けられない危険な状況です。現在、難民生活者は8千万人ともいわれています。

新型コロナウイルスによって命の危険にさらされている感染者に対して、生命の危険の中、医療の最前線で崇高な使命感の下、防護服を着ての献身的な活動を続ける医師や看護師をはじめ介護施設などに従事する方々には感謝です。また、私たちが生活するに欠かせない仕事をしてくれているエッセンシャルワーカーの皆さんのご労苦にも感謝です。

コロナ禍により私たちの生活は一変しました。それは、新しい日常とされているソーシャルディスタンスの設定や不要不急の外出を控え、ステイホームの推進。さらに、5月11日までの3回目の緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令され、再度の休業、時短等の要請になりました。丁度、大型連休に重なることから行楽や帰省などに対しては自粛してほしいと政府は求めています。この大型連休を終えて感染者数が減少して宣言が解除されることを願いましたが、さらに延長されることになりました。

飲食店や中小小売店、観光業等への影響は計り知れず、それに携わる人々の生活環境は厳しいものがあります。環境の激変により社会的弱者といわれる人々が生活に困窮することのないように、今こそ政治の出番です。

小金井市においても「一人も取り残さない市政」が言葉だけでなく、どこにでも目が届くものであってほしいのです。その結果「小金井市に住んでよかった」と言われる市政が実現できるのです。

このコロナ禍により各種行事やボランティア活動が中止され、存続も危惧されます。

国民が待望したオリンピック、パラリンピックの開催が近付いてきました。開催の環境を一日も早く整え、失われた月日を取り返すためにも、世界中の子どもから高齢者まで誰にも夢と希望と感動を東京から発信してほしいものです。

オリパラ競技はステイホームを励行し、映像で楽しむことです。それにより、感染拡大が収束することを強く期待します。

(つづく)

走り続けた16年(173)

新しい年を迎えて

新年明けましておめでとうございます。

希望の新年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年のご厚誼に感謝するとともに、本年も本欄をご愛読いただきますよう宜しくお願いいたします。

昨年末、国民注視の中、小惑星リュウグウから故郷地球に向けて帰路についた『はやぶさ2』は、お土産の玉手箱を地球に送り届け、故郷には立ち寄らず次のミッションに向けて飛び立ちました。本年は、期待を持って開く玉手箱の中身に関心が移ります。宇宙に関心を持つ子どもたちにも大きなお年玉になることでしょう。

一方、地球全体を揺さぶるかのような新型コロナウイルス感染拡大による恐怖と、それに伴っての世界経済の落ち込みも、人類が近年経験したことのない状況にあります。

世界の混乱で最も影響を受けるのが国内外を問わず社会的弱者といわれる人々へのしわ寄せです。清潔な水も食糧も不足し、衛生管理も、医療機関も不十分な発展途上国、紛争国、そして、難民キャンプ等で生活する人々にコロナウイルスに加え、冬の寒さが追い討ちをかけていることを思うと心が痛みます。今や、地球規模での対応が迫られています。

願わくは、少しでも早くワクチンが世界の隅々まで普及することにより感染拡大が収まり、元の日常に戻ることです。

1年遅れで7月には東京オリンピック・パラリンピックが開会される予定です。世界中のコロナ禍が収まった証しとして予定通り実施されることを願うものです。

国難とも言えるこの状況に当たっては、国も都も、そして、基礎自治体である市にとっても大きな課題が突き付けられています。

本年の市政の課題はコロナ禍における市民生活、財政問題、そして、懸案の庁舎問題になると思われます。

先ず、市民生活と財政問題は2008年(平成20年)9月に米国投資銀行のリーマンブラザーズの経営破綻に端を発し、連鎖的に世界規模の金融危機が発生したことがありました。国内においても大手金融機関、保険会社、証券会社等の倒産もあり、税収は国も都も、そして、市においても大幅な減収になりました。しかし、当時は経済再生の見通しがつきましたが、コロナ禍は先行きの見通しが全く立ちません。その上、日本だけで片付くものでなく国際社会の連携が必要であり、問題を複雑にしてます。

市は、コロナ禍による税収減はリーマンショック等を参考にし、今後5年間で約60億円の減収と想定しています。その補填は財政調整基金(財調・貯金)の取崩しでまかなうとのことです。財調はそのための基金であり有効な活用が必要です。

コロナ禍により市内の小売業や飲食店などに与える影響も甚大です。それらに従事する解雇や雇い止めによる収入減、アルバイト学生やひとり親家庭などの生活困窮も見逃すことなく、市民生活を最優先する市政運営が望まれます。

令和3年度の予算編成に当たっては、厳しい財政状況ですが、財調等を有効に活用し、国や都の施策に頼るだけでなく、小金井市の特色を生かした明るい未来を感じさせる新年度予算に期待したいものです。それが「小金井に住んでよかった」の基になります。

(つづく)